「市東さんの会」シンポに参加して 成田の騒音、厚木の10倍

週刊『三里塚』02頁(0909号02面06)(2014/12/08)


「市東さんの会」シンポに参加して
 成田の騒音、厚木の10倍

(写真 11・29シンポで発言する市東孝雄さん【成田市成田公民館】)

 11月29日、「市東さんの農地取り上げに反対する会」(「市東さんの会)が、成田市田町にある成田公民館で開いた「検証! 成田空港と住民の暮らしシンポジウム――〝命削るリスク〟厚木飛行差し止め判決から見た成田の現実」に参加した。
 「市東さんの会」は2006年の秋に結成されて以来、毎年この時期にシンポジウムやイベントを千葉市で開いてきた。今回は初めて成田市のど真ん中での開催となった。
 講師は北海道大学教授の松井利仁さん。松井さんは騒音問題、特に空港や基地騒音の専門家で、住民の立場にたった研究、発言を行っている。反対同盟の要請で天神峰、東峰、取香(とっこう)などの騒音調査を何度も行っている研究者だ。

騒音での健康被害

 講演で松井さんはまず、騒音と健康被害の因果関係について強調した。特にヨーロッパで収集した資料に基づくWHO(世界保健機構)基準の重要性を指摘、「騒音による睡眠障害と健康被害の因果関係は明らかだ」と述べた。
 次にご自身も鑑定意見や裁判証言で大きく貢献した神奈川県厚木基地第4次爆音訴訟を紹介した。5月21日に出された判決で横浜地裁は「自衛隊機の飛行差し止め」という画期的な判決を行ったが、その根拠になったのが、このWHO基準による健康被害の証明だったと強調した。
 そして、成田空港の騒音問題に入った。まず、うるささ指数と言われる「WECPNL」およびそれの「改良版」と称して現在使われている「Lden」という指標について「まったくデタラメ」と断罪した。「騒音被害で最大の問題は夜間の睡眠障害であるのに、上記のうるささ指数では、夜間の騒音について何も分からない。騒音があったのかどうかさえ分からない代物です」とし、「厚木基地の騒音は一回のうるささは大きいのですが、成田と比べたら回数は少ない。成田は早朝から深夜までひっきりなしに飛ぶ。厚木より10倍の騒音被害があると言っていい」と衝撃的な内容を提起。騒音被害の深刻さを強調した。
 この後、空港騒音の実態をビデオ映像を通して参加者が体験。成田市議の足立満智子さんの報告、会場との質疑応答と続き、最後に市東孝雄さんがあいさつした。
 「空港の24時間化、30万回化が言われているが、現在6千軒にも達しようとしている騒音下の住民の数がさらに増えることを意味する。とんでもないことだ。農地は私にとって命です。これを奪うことは死を意味します。皆さんの力も借りて一日でも長くここで、農民として生きていきたい!」と述べた。騒音被害の深刻さという領域について重要な提起がなされ、今後、さらに追求していくべき課題であることを実感したシンポだった。
(矢島久雄)
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