安保新ガイドラインで 成田の軍事使用を明文化

週刊『三里塚』02頁(0921号02面03)(2015/06/08)


安保新ガイドラインで
 成田の軍事使用を明文化

(写真 成田はPKO派兵の軍事拠点になっている【写真は南スーダンに向かう自衛隊軍事車両=2012年10月】)

 安倍政権は、安保法制攻撃の一環として4月27日、安保新ガイドラインを締結し、安保関連法案を5月15日、国会に提出した。自衛隊が米軍と一体となった戦争へ踏み込む中で、あらためて、成田空港の軍事空港化の危機が迫ってきた。
 それが、ガイドラインの中での成田空港の位置づけ強化である。前回の1997年のガイドラインでは、空港や港湾の使用に関する記述は別表に記されただけだったが、今回は「日本の平和に発生する脅威への対処」として、「必要に応じて、民間の空港及び港湾を含む施設を使用に供し」「共同使用における協力を強化する」と明文化した。平時からの協力、実地調査もうたっている。
 そして、安保法案では、有事に自衛隊と米軍が港や飛行場を使うための「特定公共施設利用法」を、「存立危機事態」でも(=いつでも)適用でき、米軍以外の他国軍も施設を使えるようにしようとしているのだ。民間空港の中でも唯一4000㍍滑走路を持つ成田を念頭に、「有事」の際の軍事使用を明記した。
 そもそも1994年の朝鮮危機の時、成田空港は米軍の侵略戦争計画「5027」で、50万米兵の空輸・出撃拠点とされた。この朝鮮危機が第一次安保ガイドライン制定のきっかけだった。そして、今回成田の位置づけを圧倒的に高めということだ。すでに成田は自衛隊のPKO派兵の空輸基地にされている。
 しかも今、新たに計画されている3500㍍の第3滑走路には軍事目的に使用する意図が含まれている。現在でも年間30万回の目標に対して、約22万回の需要しかない成田空港に、なぜもう一本の滑走路が必要なのか。まさに荒唐無稽な話だが、軍事目的をにらんだ「もう一本の4000㍍級滑走路を造る狙い」が背後にあるのだ。
 反対同盟は結成以来「成田空港の軍事使用反対」を重要なスローガンに掲げてきたが、反戦・反権力の砦としての三里塚闘争がまさに輝く時が来ている。成田の軍事空港化を阻止しよう。第3滑走路を粉砕しよう。
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