団結街道

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週刊『三里塚』02頁(0943号01面05)(2016/05/09)


団結街道


 「今日はメーデー、闘いの日だ」。5月1日、新宿の街に「戦争反対、改憲反対、安倍倒せ」のシュプレヒコールがこだました。動労千葉を先頭とした戦闘的なデモは沿道の注目を浴びた。しかし、毎度のことながら新聞は無視抹殺だ。翌日の紙面には水俣病患者に関する記事が載った▼50周年の三里塚からさかのぼること10年。公式認定から60年が経過してなお、水俣病の問題はなんら解決していない。患者認定審査を待つ熊本、鹿児島両県の申請者は2000人を超え、1300人以上が国や原因企業チッソなどを相手取った訴訟を起こしている▼患者認定では、切り捨てのための線引きが行われる。未認定患者にわずかばかりの一時金を給付する「水俣病被害者救済特別措置法」は打ち切りをはかるものだ。「問題あり」と報じる新聞各紙。だがその見出しには政府の言葉そのままに「救済待つ被害者多数」「救済は終わっていない」といった文字が並ぶ▼「救済」じゃないだろう。それでは国やチッソの責任をあいまいにするだけだ。水俣病被害者互助会の佐藤英樹会長は「60年は通過点でしかない。被害者の声を聞こうとしない国の姿勢は今も変わらない。へりくつばかり並べる国やチッソとこれからも闘い続ける」という▼まさに三里塚に通じる不屈の怒りの表明そのものではないか。水俣の怒りも我が胸にしっかりと刻んで闘いたい。
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