「第3滑走路実現する会」パンフ 住民の騒音被害を否定 私利私欲の正体を現す

週刊『三里塚』02頁(0951号02面03)(2016/09/12)


「第3滑走路実現する会」パンフ
 住民の騒音被害を否定
 私利私欲の正体を現す


 石毛博道、相川勝重や空港利権団体で組織する「第3滑走路実現を目指す有志の会」が新しいパンフレットを出した。「よくわかる『成田第3滑走路』周辺住民のための用語解説」(写真)は、第3滑走路案が周辺住民に受け入れられていない現実を前に、「用語解説」なる〝厚化粧〟を施して取り込もうとするものだ。しかし、墓穴を掘っている。何よりも第一に、パンフ最終面には「有志の会」の役職・氏名が連記されているが、会長、副会長など32名の半数以上が、地元の土建・建設・不動産など会社の社長名で占められていることだ。
 これは、1200~2000億円とも言われる「第3滑走路工事」に飛びついて、自社への「受注」を露骨に狙う、まさに私利私欲団体の正体をあらわにするものだ。これでは被害を押し付けられる騒音下住民の怒りは高まるばかりだ。しかも、事務局長・石毛博道自身、大工であり、芝山町内ではもっぱら「注文取りを狙っている」という噂が絶えない。
 その上で第二に、パンフでは「旅客機の主流は、低騒音機になっている」と騒音問題の否定にこれ務めている。しかし、仮にも、50万回離着陸を想定すれば、騒音被害の爆発は明らかだ。バンフは「『空港と地域の共生』という理念から、騒音対策に配慮されてきました」と述べているが、すべてきれいごと、ウソのオンパレードだ。
 大体、騒音激甚地区の住民の苦しみの声をまともに聞いたことがあるのか。単なる数字合わせ、机上の空論ばかりだ。事実、成田空港の騒音はWHO(世界保健機構)のガイドラインの基準をはるかに逸脱し、自衛隊機の夜間飛行差し止めが認められた厚木の10倍以上にもなるのだ。夜間飛行の差し止めが問題になるレベルだ。
 成田空港北側騒音地区では、「眠ったまま死んだらどんなに楽だろうと思い続ける毎日」(60代男性)、「ゆっくり眠りたい。死ぬことが分かったら、特攻隊のように空港に突っ込みたいと思うことがある」(70代男性)と命がけの叫びを上げている(足立満智子成田市議=当時=の聞き取り調査の報告)。このような血叫びを踏みにじって私利私欲を追求するのが、「有志の会」だ。
 第三に、これが決定的な本音だが、同パンフは次のように筆をすべらせた。「成田は反対運動があったため、午後11時〜翌朝6時までをカーフュー(深夜飛行禁止)としました」(11頁)と。要するに、「騒音問題への配慮」と言ってもそれは、住民の健康を考えてのことではさらさらなく、「反対運動があって住民が騒ぐからだ」と本音を吐露しているのだ。
 この一文で「有志の会」は、騒音下住民への敵対団体であることを明らかにした。さらに今回のパンフで成田市長・小泉一成と芝山町長・相川勝重および多古町長・菅澤英毅3人が「顧問」として名を連ねた。住民を敵対視する利権団体の顧問に現役首長が就任するとは! その罪は重い。
 「有志の会」の策動を、周辺住民との団結で粉砕しよう。

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