一坪裁判 県、施設の必要性示せず 審理終了、最終弁論へ

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週刊『三里塚』02頁(0951号02面04)(2016/09/12)


一坪裁判
 県、施設の必要性示せず
 審理終了、最終弁論へ


 8月25日、千葉地裁民事第5部(鹿子木康裁判長)で、一坪共有地裁判の弁論が開かれた。
 原告・千葉県は、「成田国際物流複合基地」なる貨物施設整備計画のために、一坪共有地を奪い、一帯を造成して成田空港会社(NAA)に売り渡そうとしているが、この計画自体、破綻した代物だ。
 今回、原告・千葉県は既存の貨物施設、一坪共有地と本件の事業予定地などの位置関係など記した図面と、貨物施設が手狭になっていることを示すという写真を提出した。図面は明らかにインターネットの航空写真を加工したものだが、原告・県の代理人弁護士はこれを「実写だ」と言い張り居直った。
 また、弁護団が「成田空港では2011年に天浪の貨物上屋を取り壊して駐機場にしたが、以後支障なくやっている」と追及すると、県代理人はしどろもどろになってしまった。
 一坪共有地は「三里塚地区周辺に土地を持つ会」の組合所有(合有)であり、共有者個人が勝手に分割し売り払うことはできない。県は「全面的価格賠償方式」=強制的金銭補償で一坪共有地を取得しようと本件裁判に訴えた。だが、県側の主張は二転三転しながら破綻の度合いを深めた。裁判所は「これでは判決が書けない」とこの終盤で今回の期日を設定したが、県の悪あがきを浮き彫りにしただけだった。次回11月10日に最終弁論・結審となることを確認し、閉廷した。
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