労農学120人が最高裁デモ 〝上告棄却を許さぬ〟 第3次署名2347筆提出

週刊『三里塚』02頁(0952号01面02)(2016/09/26)


労農学120人が最高裁デモ
 〝上告棄却を許さぬ〟
 第3次署名2347筆提出

(写真 労農学市民120人が最高裁を包囲するデモを展開した【9月18日 東京・永田町】)


 9月7日、反対同盟は、最高裁判所に対するデモ行進と農地取り上げ反対署名の第3次提出行動に立った。7月に開いた三里塚50周年集会の成功を引き継ぎ、「強制収用は何があっても許さない」という意気を高らかに示す闘いだ。呼びかけに応えて、全国から労働者・農民・学生・市民120人が結集し、ともにシュプレヒコールをあげて闘いぬいた。
 午後1時30分、千代田区永田町の星陵会館からデモ行進に出発。反対同盟は、「耕す者に権利あり」と大書した横断幕を手に先頭に立つ。宣伝カーからは、婦人行動隊・宮本麻子さんが「最高裁による農地収奪を許さないぞ!」「高裁判決を破棄しろ」とシュプレヒコールをリード。警察の弾圧態勢を打ち破って、最高裁に怒りをたたきつけた。
 署名提出に先立ち、最高裁西側通用門前で太郎良陽一さんの司会のもと、各参加者のアピールが行われた。動労千葉の中村仁さんが発言し「車の両輪として労農連帯を貫きながら、動労千葉は13日から指名ストに突入する」と誇り高く宣言した。
 関西住民、市東さんの農地取り上げに反対する会、沖縄の会からの発言に続き、反対同盟顧問弁護団の葉山岳夫弁護士が、「動労千葉も8回のデモと署名提出で最高裁に不当労働行為を認めさせた。違法な公用収用を打ち破ろう」と檄を飛ばした。
 さらに動労水戸の石井真一委員長、福島の椎名千恵子さんが、農地を守る熱い決意を表明した。反対同盟事務局から萩原富夫さんが、「この1年、署名運動に取り組んで2万539筆となった。農地を守れという声は全国にどんどん広がっている」「成田空港の拡張、市東さんの農地取り上げを許さない。沖縄、福島と連帯し、身体を張って人生をかけて闘いぬく」と決意を明らかにした。
 2時30分、2347筆の署名簿を持った市東さんを先頭に17人が裁判所内に入り、要請行動を行った。書記官に署名を受け取らせ、萩原さんが反対同盟の「申入書」を読み上げた。「戦争反対で闘う反対同盟をつぶそうというのが農地強奪のねらいだ。最高裁はこれに加担するのか否か!」「大谷剛彦裁判長、日置朋弘調査官は、農地取り上げ判決を破棄せよ」
 続いて葉山弁護士が一審・二審判決の重大な違憲性を指摘した。うつむいてメモを取るのばかり書記官に、一同は怒りを込めて次々と意見を表明した。
 約30分の要請行動を終え、再び西側通用門前で報告会を行った。マイクを握った市東さんは、「国策であれば何をしてもいい、法律を曲げてでも通すというやり方を認めることはできない。これからも天神峰の地で農地を守って闘う」と不動の姿勢を明らかにした。
 さらに全学連副委員長(沖縄大学学生自治会委員長)の赤嶺知晃君、全国農民会議、婦人民主クラブ全国協などが決意を表明した。
 最後に伊藤信晴さんが「市東さんは、労働者・農民の未来をかけて立ち上がっている。必ず勝利しよう」と訴え、10・9への大結集を呼びかけた。

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最高裁への申入書

 本日の申し入れに先立って、私たちは全国から駆けつけてくれた仲間と共に「農地取り上げ絶対反対」のデモ行進を行いました。「強制収用は何があっても許さない!」という思いで、この場に臨んでいます。
 昨年6月12日の東京高裁・小林昭彦裁判長による判決は、農地法の精神を踏みにじり、空港会社の数々の違法にフタをして農地を奪う不当極まりない判決です。市東さんの耕す権利・生きる権利を否定し、私たちの命である農地の強奪を認める高裁判決を許すことはできません。「最高裁は直ちに高裁判決を破棄せよ!」という怒りの署名が次々と全国から寄せられています。司法の最高機関である最高裁が、空港会社の手先となってこれに追随することなど、断じて許されません。
 本年7月3日、私たちは50周年の集会を全国の仲間と共に開催しました。不正義の国家暴力に絶対に屈しない! 体をはって農民圧殺の空港建設を実力で阻止してきた地平は、半世紀を経て理不尽な国策に抗して闘う人々、農業・農民つぶしに反対する人々の怒りの結集軸へと発展しています。
 安倍政権は、改憲を強行し、国内矛盾を戦争で乗り切ろうと、軍事訓練・軍事挑発を繰り返し国家総動員体制の確立を急いでいます。だからこそ、50年にわたって戦争反対を掲げて闘う反対同盟をつぶそうというのが、市東さんの農地強奪のねらいです。最高裁はこれに加担するのか否か!
  (中略)
 本日ここに第3次分2347筆(第一次、第二次とあわせて20539筆となります)の署名を提出します。
 最高裁第三小法廷・大谷剛彦裁判長、日置朋弘調査官は、耕す権利を否定し、戦争につながる農地取り上げ判決を破棄するよう強く申し入れます。
2016年9月7日

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≪三里塚闘争裁判≫
●9月26日(月)新やぐら裁判
 午前10時30分 千葉地裁
●10月17日(月)耕作権裁判
 午前10時30分 千葉地裁
●11月1日(火)第3誘導路裁判 
 午前10時30分 千葉地裁   
●11月8日(火)団結街道裁判 
 午前10時30分 千葉地裁

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