団結街道

投稿日:

週刊『三里塚』02頁(0954号01面06)(2016/10/24)


団結街道


 ある日の産直出荷作業を終えたお茶のひととき、市東さんが口を開く。「最近ジェネリック医薬品が話題になっているけど、ジェネリック農薬というのもあるんだよね」―みずからは有機農業で農薬とは無縁でも、農業をめぐる動きに鋭く目を光らせる▼ジェネリック農薬とは、先に開発された農薬に含まれる有効成分の特許が切れた後、他のメーカーが同じ成分を用いて開発する後発の農薬のこと。開発費用が省けるが、日本では農薬取締法に基づいて、先発品同様の試験が求められるため、海外よりコストが高い。農薬全体に占める割合は約5%(世界では30%)にとどまる▼しかし、農林水産省は9月13日、この手続きを2017年度から簡素化する方針を明らかにした。TPPで輸入農産物が増えることを前提に、ジェネリック農薬の開発コストを低減し、安い生産資材の提供拡大で農家の負担軽減を目指すというのだが、実態は許しがたい安全破壊だ▼TPPによる農業破壊は「負担軽減」でどうにかなるものではない。この機に農業へ参入しようという企業を利するだけの話だ。TPPの先取りで、さまざまな農薬の規制が緩和された。これで儲けているのが経団連・前会長の米倉弘昌ひきいる住友化学だ▼韓国農民は民主労総とともに民衆総決起に立とうとしている。日本でも全国農民会議を先頭に、怒りの総決起を実現しよう。
このエントリーをはてなブックマークに追加