耕作権裁判 内田裁判長に戦闘的デモ 偽造文書頼みのNAA追及

週刊『三里塚』02頁(0954号02面01)(2016/10/24)


耕作権裁判
 内田裁判長に戦闘的デモ
 偽造文書頼みのNAA追及

(写真 耕作権裁判の弁論に先立って、千葉地裁包囲デモを闘う反対同盟と支援の労農学【10月17日】)

 10月17日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で、天神峰・市東孝雄さんの耕作権裁判が開かれた。
 反対同盟はこの裁判を、最高裁段階にある農地法裁判と一体の決定的な闘争と位置づけている。そのため、この日は弁論だけでなく、千葉地裁包囲のデモ行進と法廷闘争を一体で闘う方針で、やりぬかれた。
 朝から強い雨が降りしきる中、千葉市葭川(よしかわ)公園で午前9時、太郎良陽一さんの司会で集会が始まった。萩原富夫さんが「第3滑走路建設の攻撃に対し地元住民の怒りと結んで粉砕しよう。市東さんの農地を守りぬこう」と千葉市民に訴え、デモに出発。
 反対同盟は先頭で「耕す者に権利あり」と大書された横断幕を広げ、宣伝カーからは婦人行動隊・宮本麻子さんがシュプレヒコールをリードした。
 全員がデモの勢いそのままに傍聴に臨み、10時30分からの弁論に臨んだ。70近い席がすべて埋まった。
 この間NAAは「予備的主張」として、この裁判での重大な争点である市東家の賃借地の場所特定問題について唐突に、「少なくとも1988年の〈同意書〉〈境界確認書〉と添付の測量図面で(旧地主と市東東市さんが)合意した」と言い出した。
 つまり、「市東家が実際どこを耕作してきたかはともかく、88年の合意で〝賃借地はここ〟と決めたのだから、その通りでいいじゃないか」という意味だ。このあまりにもデタラメで無責任な主張に、弁護団の怒りの追及が集中した。
 NAAが証拠として提出している「同意書」「境界確認書」はまぎれもなく偽造文書だ。これらにあくまですがりつきながら、しかも「境界確認書」の図面を実際の耕作場所を表したものではなく、その場での合意に過ぎないというのだ。
 またNAAは1950年に交わされた旧地主と市東家の農地の賃貸借契約について、「場所が特定されていない。南台41番地の中ならどこでも耕作してよい、という契約だった」と言い出した。
 こんな苦しまぎれの珍解釈はまったく成り立たない! そもそもこの耕作権裁判と農地法裁判は、市東家の賃借地はどこなのか、とりわけ南台41―9の土地が市東家の賃借地なのかどうかをめぐって、具体的に激しく争ってきたものだ。結局41―9については市東家は一度も耕作したことがなく、石橋家が植木を育てていた土地だったことが明らかになった。
 この事実に追い詰められた末のNAAの新主張が「同意書でこう決めたのだからそれでいいじゃないか」というものだ。
 弁護団の激しい追及に対し、NAAの代理人は「書面で応じる」との旨を繰り返すのみ。裁判長も「先ほどと同じ答えですか」などと助け舟を出す。傍聴席からは「まともに答えさせろ!」との声が続々と上がり、法廷は怒りで充満した。市東さんも被告席から「自分らが都合悪くなったらそんなことを言うのか!」とNAAを一喝した。
 次回期日を1月30日と確認し閉廷した。千葉県弁護士会館で報告会を開催し、弁護士が弁論内容を解説し闘いの成果を確認した。報告会では、内田博久裁判長が2回8年にわたる訟務検事(行政訴訟などで国の代理人を務める)の経歴を持つ極悪裁判官であることが弁護団より強調され、内田裁判長打倒の傍聴闘争を強めることが確認された。
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