市東さん 「請求異議の訴え」提起 記者会見でNAAを弾劾

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週刊『三里塚』02頁(0957号01面03)(2016/12/12)


市東さん 「請求異議の訴え」提起
 記者会見でNAAを弾劾

(写真 市東さんは記者会見で農地死守の決意をあらためて表明した【11月30日 千葉県弁護士会館】)

 農地法裁判が10月25日、最高裁の上告棄却で判決が確定したことに対し、市東孝雄さんは11月30日、顧問弁護団とともに千葉地裁に「請求異議の訴え」と「強制執行停止決定申立」を行った。 請求異議の訴えとは、NAAに対し「農地法裁判での判決に基づく土地取り上げ強制執行を許さない」と提訴した新たな裁判で、「強制執行差し止め訴訟」にあたる。「強制執行停止申立」は仮処分にあたる裁判で、本訴の判決が確定するまでの執行停止を求めている。
 午前10時30分、市東さんと弁護団は、千葉地裁5階の訟廷事務室を訪れ提訴を行い受理された。提訴の後、午前10時50分、千葉県弁護士会館で、新聞、通信社、テレビなどの取材記者十数人が参加する中、伊藤信晴さんの司会で記者会見が行われた。最初に市東さんが発言した。「今度の最高裁の上告棄却決定は、たった2行の文言で、100年耕してきたわが家の畑について、明け渡しの強制執行ができるというものです。絶対に認めることはできない。私は天神峰で一日でも長く農業を続ける。そのための提訴です」
 続いて代理人を代表して葉山岳夫弁護士が今回の請求異議の理由を3点にまとめて報告した。
 ①本件の裁判での対象地は市東さんの全耕作面積の約41%。そして明らかに公用収用だ。NAAは94年に「あらゆる意味において強制的手段を用いない」と公約しており、強制執行は根本からそれに反する。
 ②東京高裁小林昭彦裁判長は、裁判官忌避申し立て中にもかかわらず、2015年6月12日に判決言い渡しを強行した。この判決は無効である。
 ③千葉県知事が出した賃貸借解約許可の条件は「離作補償料を払う」となっているが、NAAは口頭弁論終結後も一切支払っていない。「金を払わずに人のものを奪う」行為だ。
 さらに参加した弁護団はそれぞれ、憲法判断を一切行わず下された最高裁の上告棄却を徹底的に弾劾し、農地収奪に対する怒りの一大反撃として闘いぬく決意を表した。 また、市東さんが自らの言葉で空港の違法・無法への批判をつづった「陳述書」を合わせて千葉地裁に提出したことが報告された。
 記者との熱心な質疑応答の後、太郎良陽一さんが反対同盟として「三里塚を支援する全国の人びととともに、一丸となって体を張って闘いぬく」と決意表明を行った。
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