大地の響き 投稿コーナー

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週刊『三里塚』02頁(0966号02面06)(2017/04/17)


大地の響き 投稿コーナー

現実の変革を課題に
 日本映画大学 吉岡雅樹

 「三里塚」という場所は、現代史においてはもとより映画史にとっても特別な存在となっています。我々の世代は、小川紳介監督が残した7作にわたる三里塚シリーズによって、その巨大な歴史を知るのです。
 今回の企画は、記念碑的作品『三里塚の夏』を現在の情況のもとで解体し、いまいちど芸術と現実の関係性を探ることが目的でした。そのためには、我々映画人だけで内に籠るのではなく、外の人々と意見を交わす必要がありました。
 「なにがなんでも闘う」という伊藤さんの切実な訴えは、パレスチナで現地農民とともに闘ってこられた足立さんの拍手を誘い、この日最もエモーショナルな瞬間となりました。「三里塚」が常人離れした闘争だけの場所などではなく(ましてや映画史の遺産などでもなく)、我々と同じ人間なんだということが、会場の学生たちにも感じられたと思います。
 それぞれ立場の違う方たちが一堂に会し、意見を交え、「生活(土地)収奪阻止」という一点において共通の姿勢を見ることができたことは、三里塚のなかに極めてラジカルな問題が内包されていることを物語っています。ますます閉鎖的になりつつある現代社会において、このような交流の場を持つことは、より重要な意味を帯びてくるのではないかと考えます。
 また、私自身としては、「芸術と現実」、「内と外」といった二項関係を問い続け、いかにそれを乗り越え、現実を変革していくかが今後の課題だと思っています。

決戦本部を訪問して
 千葉 吉永智恵子

(写真 市東さんのイラスト描いてみました)

 京成成田駅からコミュニティバスで20分くらい、木内さん主催の「天神峰カフェ」に行ってきました。
 素敵だな、と思った決戦本部のおもてなし。①すごく美味しいコーヒー②絶品の無農薬ピクルス(人参・大根)③「古い座布団、干しておきました」という現闘の方の気遣い(女性の泣き所をよく知っています)④三国連太郎主演の「襤褸(らんる)の旗」上映(田中正造と農民の闘いの映画。北原事務局長特別出演の話が面白い!)これでもうみんなの気持ちはわしづかみです。
 12畳ほどの決戦本部の壁に大きな第3滑走路予定地の地図。説明を伊藤さんから受けて、市東さんの農地見学、第3滑走路予定地見学の二手に分かれて出発しました。遠くに見える滑走路を指して「ここからあそこまでは全然土地の高さが違う。その間を、とてつもない量の土砂で埋め立てなければ滑走路はできない」という説明を受けて、「えっえー? ひどーい、信じられない」と、どよめきの声。最近の新聞に「辺野古工事、故郷の土使わせない 12府県の18団体が沖縄を支援」という記事が載っていました。市東さんの農地を守る闘い、地元の第3滑走路反対の声や全国のさまざまな闘い、国際連帯の闘いとも結びついてじわ〜んと広がっています。市東さんの畑の土を一粒たりとも奪わせない! 第3滑走路計画を粉砕しましょう。
 農作業で忙しい中駆け付けて笑顔で話をしてくださった市東さん、太郎良さんはじめ決戦本部の皆さん、有難うございました。
 追伸:野草=雑草が原料の酵素飲料を時々飲んでいますが、その雑草は合成肥料を与えた植物より生命力があるそうです。市東さんや萩原さんの畑の野菜は、その雑草と同じでものすごい生命力がある。だから味も濃くて、エネルギーをもらえるんですね。

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