新やぐら裁判〝 拙速審理をやめろ〟 内田裁判長と徹底対決

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週刊『三里塚』02頁(0973号01面05)(2017/08/14)


新やぐら裁判
 〝拙速審理をやめろ〟

 内田裁判長と徹底対決

(写真 千葉県弁護士会館で報告会【24日】)


 7月24日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で新やぐら裁判の弁論が開かれた。この裁判は、市東孝雄さん宅地前の天神峰の土地に立つ反対同盟のやぐら、看板などの四つの工作物の撤去とその土地の明け渡しを求めて、成田空港会社(NAA)が提訴したものである。今回をもって、証拠調べを前にした裁判所との激しい攻防に突入した。
 内田裁判長は、耕作権裁判(天神峰南台の農地取り上げ)も担当する裁判官だ。2回8年にわたる訟務検事(行政訴訟などで国の代理人を務める)の経歴を持ち、反動判決を下すために千葉地裁に送り込まれた。この間、NAAのご都合主義的居直りに助け舟を出し、萩原富夫さんを退廷にするなど反動的訴訟指揮を行ってきた。この内田裁判長が、今回の弁論中、居丈高に「証拠調べの審理開始」を反対同盟に迫ってきたのだ。
 弁論は、西村正治弁護士の陳述から始まった。陳述では、反対同盟の看板等工作物の建設過程を述べ、使用貸借の有効性・適法性を主張した。工作物設置については、市東孝雄さんと父・東市さん(故人)が地主の承諾を得たことを具体的に明らかにし、NAAの撤去要求が不当であると追及した。
 次に弁護団は、今後の主張・立証プランを述べた。立証として、「原告NAAの土地取得の農地法違反、解約許可処分の憲法第29条違反は専門家の意見書を来年春までに予定」と、申し立てた。
 これに対し、内田裁判長は威圧的に代理人をなじり始めた。「年内には証拠調べを終わると思っていた」「専門家の意見書は年内に提出できるはず」「主張・求釈明は証人調べの中で行え」と一方的に迫ってきたのだ。
 しかし、そもそも看板の立っている土地をNAAが所有することなどできない。この根本的な問題について審理を避けようとNAAは一切反論を行わず別件である農地法裁判の高裁判決をもってこと足れりとしようとしてきた。裁判所は当初は別件だからと言い審理すると見せかけたが、結局はNAAの主張に裁判所がのっかることを宣言したに等しい。
 ふざけるな! NAAこそ、法廷をないがしろにしているのだ。裁判所がそれに加担していいのか。拙速審理をやめろ! 弁護団の猛抗議とともに、傍聴席からも裁判長とNAA代理人を弾劾する怒りの声が次々と上がった。内田裁判長は退廷の恫喝を繰り返したが、激しい追及を止めることはできず、年内の専門家の意見と証人申請の提出強要は粉砕された。権力を笠に着た内田の早期結審策動との闘いは、本番を迎えている。次回期日は10月30日、傍聴闘争に決起しよう。
 報告集会では、葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団が決意を述べ、市東さんの農地取り上げに反対する会、ユニオン習志野の連帯発言に続き、反対同盟決戦本部長の太郎良陽一さんが8・10請求異議裁判への全力決起を呼びかけた。

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