住民を襲う深夜騒音 「カーフュー弾力運用」許すな

週刊『三里塚』02頁(0976号02面04)(2017/09/25)


住民を襲う深夜騒音
 「カーフュー弾力運用」許すな

(写真 LCC専用としてつくられた第3ターミナル)


 「カーフューの弾力的運用」と称した深夜飛行便の増加が騒音下住民の生活と健康をむしばんでいる。「カーフューの弾力的運用」とは、2013年に深夜飛行時間を、それまでの23時から24時までに延長した時に始まった。
 「カーフュー」とは離着陸制限のこと。「弾力的運用」とは、「本来飛べない時間なのだけれど、例外的に飛ぶことを認めてほしい」という要求だった。しかしこの時も、住民は簡単には認めなかった。
 成田市下総地区を中心に、住民の猛反発があった。その声をなだめるために「例外的に認めてほしい」というウソ八百を言うことによって、さらに、朝の1時間延長を断念することで、夜の1時間の延長を認めさせた。この時の約束は「あくまで例外的な場合だけ認める」というものだった。 ところが現在はどうだろう。「約束破りのNAA」の名に恥じず、「例外的」なる言葉はどこかへ吹っ飛び、飛ばし放題なのだ。2013年から始まった「弾力的運用」の回数は2013年度が58回、2014年度56回、2015年度64回だった。ところが2016年度になると111回! なんと前年の1・7倍にも増えた。そして、今年8月末までの回数を見るとすでに64回。2015年度の1年分。去年の同時期の回数43回と比べても、1・5倍も増えていることになる。つまり2015年度と比べれば、2・5倍にも増えている。このペースで今年も増えると仮定すると、年度末の2018年3月には、170回に迫るペースになる。もはや「弾力的運用」は「例外」でも何でもなく、常態化している。
 なぜこんなことが起きるのか。NAAによるLCC(格安航空会社)の誘致のためだ。LCCは一つの飛行機を使いまわしするため、一カ所で止まると、その先のダイヤ全部が崩壊する。そのため、「例外」と偽って「弾力的運用」と称する飛ばし放題を行っているのだ。そしてNAAの空港機能強化の「見直し」案にもしっかりと「カーフューの弾力的運用」が盛り込まれている。「弾力的運用」が常態化していることを見れば、飛行時間短縮はインチキであることは明らかだ。「カーフュー弾力運用」のペテンを許すな。

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