反対同盟新年の決意

週刊『三里塚』02頁(0982号02面01)(2018/01/01)


反対同盟新年の決意

福島との連帯強く
 婦人行動隊 宮本麻子さん

 強制執行させずに年末を迎えることができました。一人ひとりが情勢を変えると闘ってきた結果です。その力が周辺住民も確実に勇気づけています。自主的に組織がつくられ、深夜騒音の拡大・激化に対する反対の看板が立てられ、説明会でNAAや自治体当局を追及するような決起が実現したと思います。中傷ビラが出たのも、よほど追い詰められているからだって誰が見てもわかりますよね。三里塚闘争も52年目を迎えましたが、戦争のための空港は造らせないと反対しているからこそ完成させていない。
 安倍は、ウソでもいいから相手を悪者にして白を黒と言いくるめようとしています。戦争をあおり、改憲を狙っている。皇室の代替わりだとか、何もめでたくないのにそればっかり。肝心なニュースを報道しない。
 1%と99%の対立はますます深まっています。政府は兵器を買うのには金を出し、企業の内部留保は一番多い。労働者の方はとられるばっかり。「保育園落ちたの私だ。日本死ね」や秋葉原での「安倍やめろ」、さらに「入った人の無償化ではなく、入れない人の方の解消が先だろう」と声が上がっています。安倍は全然支持されていない。権力は強大に見えるけども、そうじゃない。反対同盟はかつて「日の丸」に黒枠をつけて、「死すべきは国家権力」と闘いました。団結して行動していけば根本から社会を変えられます。
 この間、私の実家がある福島に行ったら、浜通りの方はだーっとフレコンバックが積んである。高速道路では、土を運んでいるトラックと何度もすれ違う。東京だって、放射能レベルは高い。そういう中でオリンピックだと原発事故は終わったかのような報道ばかりしています。だけど、本当は終わっていない。
 福島ではとても力強い連帯がつくれています。ふくしま共同診療所に立ち寄ると、ちょうど子ども連れのお母さんが2組入ってきて診察を受けていました。地域のお母さんに信頼されています。
 8月6日には広島の集会で、サード撤回ソンジュ闘争委員会に檄布を手渡し連帯を深めました。民主労総が三里塚に来るようになって12年。こっちも相手を知りたいと思いますよね。18年はぜひ行ければと韓国語の勉強も始めました。
 国際連帯・労農連帯の先頭で闘った北原さんが亡くなられました。本当に大きな存在で、酒を飲むと「どう生きたかが大切なんだ」と北原さん流の人生訓を語っていたのを思いだします。私たちがその不屈の遺志を引き継いで闘います。

若者に期待寄せて
 婦人行動隊 木内敦子さん

 切迫した状況の中で、どうやったら一人でも多くの人が三里塚現地に集まることができるかを必死になって考えました。
 そして思いついたのが「天神峰カフェ」でした。ソフトでふわっとしている印象かと思いますが、その中身は農地決戦を断固闘うというものです。
 とにかく市東さんの離れに集まって、お茶・コーヒーでも飲みましょうと呼びかけました。
 最初はまったくノープラン。そうしたら参加した方々から、いろいろなアイデアが次々と湧き出てきました。
 「第3滑走路予定地の現場を見てみよう」「市東さんの畑を見学したい」など、積極的な提案がされました。隣の町からも、また遠くの地方からも、闘争の初期からかかわっている人、三里塚初体験の人などさまざまな方が来られて、重要な交流の場になりました。
 市東さんの離れには、そうしたみなさんの「一言メッセージ」が壁に貼られています。市東さんと反対同盟への、本当に大きな励みとなります。
 あの場所に一日なり半日なりいることで、市東さんの日常を追体験し、天神峰の農地がみなさんの心の一角を占めるようになってくれたと感じています。
 17年は、裁判も全力で闘い、押し返しています。しかし北原さんがおっしゃっていたように、三里塚関連の裁判は、「内容で勝っていても結果は反動判決」という繰り返しでもありました。決戦状況であることを忘れず、18年も気を引き締めて闘っていきます。
 安倍政権の戦争政治に対して、18年はいよいよ真剣に立ち向かわなくてはなりません。はっきり言って敵は手ごわい。国会前に押しかけて声を上げた人の中からも、無力感に打ちひしがれた声が、実際に聞こえてくるのです。
 この状況をどうやってひっくり返し、人びとの怒りを安倍政権に集中するのか、私も悩みながら進んでいます。半世紀を超える三里塚の不屈の闘いは、その指針になると思います。
 しかし、古く長いことだけが自慢であってはなりません。大事なのは若者とつながることです。
 私は、若者たちの新たな創造力に期待しています。安倍政権打倒へ、三里塚勝利へ、若者たちが今までにないアイデアを出して闘いを引っ張ってくれることを、何よりも期待しています。『週刊三里塚』『前進』がその力強い援助となるよう心から願っています。

星野さん奪還を!
 三里塚 北原健一さん

 「偲ぶ会」で多くの方から父・北原鉱治についてのお話を伺い、「偉大な指導者」とみなさんが言われていました。でも私は家族として、偉大とまで感じたことは全然ないんです。
 ただ、みなさんのごあいさつを聞きましたら、すごい人物がいっぱい集まっているんですよね。これだけの顔ぶれをそろえられるところがほかにあるでしょうか。
 動労千葉委員長の田中康宏さんはじめ、顧問弁護団の葉山岳夫先生、部落解放を闘う方々、婦人民主クラブ全国協、それと星野文昭さん、暁子さん、本当に偉大な闘いを行っています。一人ひとりが、本当にすばらしい人びとばかりです。
 この人たちがおそらく次の時代を担い、人民の中心となり、新しい世の中を作ってくれると私は確信しています。その一助になればという決意を固めています。
 親父は飲むとよく、自慢するように話していました。「おれはみんなに育てられた」と。確かに、親父の「偉大さ」もみなさんに育てられたものと思います。
 一人ひとりは日々変わっていきますが、信条や信念を変えることはなく一生貫けた、そういう人は幸せです。だから親父は本当に幸せだと思います。
 この今の世の中を、日本を、世界を、そして労働運動を、差別と抑圧を前面にふりだした今のこの国家権力・政治体制を変えるのは、革命しかないです。
 だから、全学連委員長の斎藤郁真さんが衆議院選に立候補して闘った。僕はこういう力がこれから全国で出てくると思います。その後に必ず私たちの理想とする政治体制、人間社会が生み出されると思います。
 もうこれ以上、権力の思いのままにさせてはならない。そして今われわれから奪われている星野さんを、必ず奪還しようじゃないですか!
 そして、市東さんにかけられた農地強奪の攻撃を打ち返し、全力で守ろうじゃありませんか。そのために、私たちは全力を尽くして闘わなければならないと思います。
 三里塚闘争は素晴らしい。私はその一員として今誇りをもって言えます。今、新しい時代をつくるのは、みなさんしかいないということを本当に肝に命じました。
 ともに頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。
(偲ぶ会での発言を編集しました)

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