請求異議裁判 早期結審策動と対決 雨の中、地裁へ怒りのデモ

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週刊『三里塚』02頁(0988号01面03)(2018/03/26)


請求異議裁判
 早期結審策動と対決
 雨の中、地裁へ怒りのデモ

(写真 降りしきる雨をものともせず、元気よく地裁に迫るデモ行進を貫徹した【3月8日 千葉市】)

(写真 署名提出行動へ出発)

(高瀬順久裁判長)


 3月8日、千葉地裁民事第5部(高瀬順久裁判長)で市東孝雄さんの農地をめぐる請求異議裁判が開かれた。反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・農民・学生・市民120人は、全力でこの日を闘いぬいた。
 午前9時、降りしきる雨の中、千葉市中央公園で集会が太郎良陽一さんの司会で開かれた。
 最初に、萩原富夫さんが発言に立ち、周辺住民の怒りがNAAを圧倒していることを報告し、市東さんの農地を死守する意気込みを表した。
 続いて動労千葉の田中康宏委員長が、JR総連からの組合員大量脱退という事態のもとで、国鉄労働運動の飛躍と前進をかけて闘う気概を示し、4・1三里塚全国集会への大結集を呼びかけた。
 関西実行委、「市東さんの農地取り上げに反対する会」の発言を受け、デモに出発した。みなぎる闘志で悪天候をはねのけ、千葉地裁に迫るデモを貫徹した。
 直ちに地裁前に再集合して署名提出行動に移った。全国から寄せられた署名は、第4次提出分として2944筆(通算1万3643筆)。民事第5部の書記官室で萩原さんが申入書を読み上げて受け取らせた。
 この日も、入庁者全員に対する所持品検査に対する激しい抗議の声で地裁が満たされた。人民の怒りが充満する中で、10時30分に開廷した。
 被告NAA(成田空港会社)はこの日までに、「判決が確定したから強制執行は当然。権利濫用や信義則違反には当たらない」とする準備書面を提出した。農地法裁判一審の極悪の多見谷判決だけを頼みの綱とした、とんでもない暴論だ!
 弁護団はこれに徹底的に反論する弁論をたたきつけた。1993年に空港公団(NAAの前身)は、「あらゆる意味で強制的手段が用いられてはならない」ことを公的に確認し、土地収用法に基づく収用裁決申請を取り下げた。それは民事訴訟での強制執行による用地取得の放棄も当然意味する。そして多見谷判決は確かに極悪でずさんだが、判決確定後の強制執行にまで言及し容認したものではない。
 農地強奪の強制執行が行われれば、市東さんの全生活が破壊される。71年強制代執行の流血の事態を繰り返すのか! 原告と反対同盟は、実力闘争で反撃し粉砕するのみだ!
 この気迫に満ちた弁論に傍聴席から大きな拍手が起こった。
 ここで裁判長は早期結審の意図を隠そうともせず、今後2回の期日で、計4人の人証調べを行い、あとは弁論を1期日だけ入れるというスケジュールを示した。
 弁護団はこれに対し、憲法や経済学の学者・専門家の証人調べを行うよう、ねばり強く要求した。裁判長は「ご要望は承ったが、約束はできない」と事実上はねつけた。国家意思むき出しの打ち切り策動に、強い抗議の声が殺到した。
 次回5月24日に大木よねさんへの強制執行(71年)の暴力性と不正義などを明らかにする2人の証人尋問を、次々回6月28日に萩原さん、市東さんの尋問を行うと確認し閉廷した。
 千葉県弁護士会館で、報告集会が伊藤信晴さんの司会で開かれた。
最初に市東さんが、「多くの人びとの決起が裁判所への圧力となります」と支援を訴えた。
 続いて葉山岳夫弁護士が発言し、「市東さん、萩原さんだけで尋問を打ち切ろうとした裁判所を押し返した。だが7月最終口頭弁論で結審しようとしている。4・1全国闘争の大結集でこれを打ち砕こう」と訴えた。
 傍聴に参加した動労水戸副委員長の辻川慎一さん、福島の椎名千恵子さん、全国農民会議共同代表の小川浩さんが連帯発言を行った。小川さんは、「農民が生きるために三里塚と連帯し安倍政権を倒す時だ」と訴えた。
 最後に婦人行動隊の木内敦子さんが4・1全国集会への参加を訴えた。

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