4者協合意を弾劾する 移転・騒音で住民生活を破壊

週刊『三里塚』02頁(0988号01面02)(2018/03/26)


4者協合意を弾劾する
 移転・騒音で住民生活を破壊


 3月13日、国土交通省、NAA、千葉県、地元自治体からなる「4者協議会」は、成田空港機能強化策の「最終合意」を行った。住民無視の暴挙であり断じて許すことはできない。
 最終合意の中身とは何か。
 ①2020年東京オリンピックまでに、A滑走路で先行して夜間運用時間を1時間延長する(午前0時まで)。あわせて午後10時台の便数制限を撤廃する。
 このため、午後10時以降の年間平均発着回数は、1日当たり現在の3倍の30回にもなる。そもそも、成田空港周辺では、午後10時台で睡眠中の人の割合は約4割。午前0時では9割の人が眠っている。こんな時間帯に飛行機を飛ばすこと自体殺人的行為で許されない。内窓の設置など住宅への防音対策を行うことを条件としているが、「効果は必ず達成できるとまでは認めがたい」(厚木爆音訴訟地裁判決)と限定的だ。
 ②芝山町南部の広大な地域に、農村と山林をつぶして3500㍍の第3滑走路(C滑走路)を建設する。現在のB滑走路は北側に1千㍍延伸して3500㍍にする。
 夏目誠NAA社長自身が「新たな空港建設に匹敵する」と述べるように、空港敷地は現状の約1・7倍、1千㌶の敷地拡大で約2400㌶となる。移転対象は空港敷地拡大部分だけで約200戸(うち芝山町は150戸、住民約800人が対象)、騒音影響も含めると約1240戸に上る。
 第3滑走路「敷地内」から怒りの声が続々と上がっている。「前回は協力したが再移転は絶対に許さない」「畑があるので離れない」「空港会社は追い出せばそれで終わり。今まで移転した人のうちで『良かった』なんて人は知らない。ハンコをつく気はない」
 ③第3滑走路供用後は、運用時間を午前5時〜午前0時半と現行より2時間半延長する。
 「スライド運用で滑走路ごとに7時間の静穏時間を確保した」とNAAは言うが、まったくのインチキだ。飛ばない時間は1日のうちわずか4時間半だ! 78年の開港以来40年間続けられた大原則である午前6時〜午後11時の運用時間を踏みにじる暴挙だ。
 午前5時は成田空港周辺の住民の9割以上が眠っている。「成田空港は、深夜は飛ばさない約束で始まったのに、なし崩しで『理解しろ』では納得できない」と怒りの声が噴出している。
 とりわけ第3滑走路新設で、中心市街地を含む町の全世帯の4割以上が騒音下になる横芝光町の町長ですら「3本目の滑走路は要らない。何で今さら造るのかと思う」といったんは結論を先延ばしにした。町長は結局、「機能強化は『国策』。逆らっていいのかどうか。国土交通省や県の偉い方から絶え間なく電話がかかってくる。断ったらどうなるかと考えると涙が出てくる」と屈服した。しかし、住民にとっては「国策」だろうが関係ない。命を守ることが第一だ。空港の都合で奪われてなるものか。
 この最終合意は日帝の危機とあせりの表明にほかならない。成田空港の事業認定はすでに失効し、NAAは「強制的な手段はとらない」、土地収用法の適用は行わないと社会的に約束している。敷地内住民の同意が得られなければ第3滑走路建設は絵に描いた餅だ。「空港絶対反対・農地死守・実力闘争」の原則を貫いて闘えば、必ず第3滑走路建設、騒音地獄の拡大は阻止できる。4・1全国集会に大結集しよう。

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市東さんの農地を守ろう! 第3滑走路粉砕!
安倍政権打倒!
4・1全国総決起集会
 【日時】4月1日(日)正午
 【会場】成田市栗山公園
 【主催】三里塚芝山連合空港反対同盟
 (連絡先)成田市天神峰63 市東孝雄方 TEL0476(35)0087
 【栗山公園への行き方】
 JR、京成成田駅から市役所方向に徒歩5分=成田市花崎町

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