星野文昭さんを三里塚の大地に取り戻そう 戦争に反対し農地を守る 耕作権裁判 墨塗り文書に開示勧告 NAAの証拠偽造を弾劾

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週刊『三里塚』02頁(0992号01面01)(2018/05/28)


星野文昭さんを三里塚の大地に取り戻そう
 戦争に反対し農地を守る
 耕作権裁判
 墨塗り文書に開示勧告
 NAAの証拠偽造を弾劾

(写真 反対同盟先頭に千葉地裁に向けデモ行進【5月14日 千葉市】)

(内田博久裁判長)


 「成田開港40周年キャンペーン」は空港と住民の「共生共栄」を謳(うた)っているが、暴力的空港建設の本質は何ら変わってはいない。成田空港会社(NAA)による市東孝雄さんへの農地強奪攻撃を見よ! 国家暴力による強制執行を行おうとしているではないか。第3滑走路建設による強制移転、夜間騒音・落下物は殺人行為そのものではないのか。今こそ反対同盟と共に闘おう。耕作権裁判では墨塗り文書の開示勧告へとNAAを追い込んだ。全証拠開示・年内奪還をめざし闘う星野闘争と三里塚闘争は一体だ。星野文昭さんを三里塚の大地に奪還しよう!

 5月14日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で耕作権裁判が開かれた。
 午前9時、千葉市中央公園に60人の労農学が結集し、太郎良陽一さんの司会で決起集会を行った。最初に東峰の萩原富夫さんが「NAAは市東さんを〝不法耕作者〟と決めつけ、農地を奪おうとしている。安倍の戦争と農業破壊を許さず闘おう」と訴えた。
 動労千葉の川崎昌浩書記長は、危機にあえぐ安倍政権の改憲・戦争の攻撃に怒りを表し、7・1国鉄闘争全国集会への結集を呼びかけた。さらに関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会の連帯発言を受けて、反対同盟を先頭に市内デモに出発した。デモは千葉地裁に力強く迫り、その気迫で、地裁ロビーでの所持品検査・検問を弾劾し傍聴に臨んだ。
 10時30分に開廷。弁護団はあらためて、強制収用を意図して空港公団(NAAの前身)が「同意書」「境界確認書」をでっち上げ、市東東市さん(孝雄さんの父)の署名・印鑑を偽造した経緯を暴露・弾劾した。そしてNAAが出した筆跡・印鑑の鑑定、特に「類似分析」のインチキ手法を批判し、偽造であることを一層鋭く突きつけた。さらにNAAが隠す文書の全面開示を強く求めた。
 ここで内田裁判長は原告NAAに向け、墨塗りされた証拠「乙84〜86」について全面的に「任意開示」するよう勧告した。証拠評価として不十分になるから、墨塗りを取って全部開示せよということだ。
 乙84〜86は、2012年の文書提出命令でNAAに開示させた書証で、1970年当時の南台の農地について、小作者の根本、石橋、市東の3軒の耕作状況の調査などが記されている。だがかなりの部分が黒く塗りつぶされたままだった。弁護団は全面開示を強く求めてきたが、裁判長もそれを認めたことになる。
 NAA代理人は当惑と失望の表情を隠せないまま、この勧告に応じるか否か、1カ月以内の回答を約束させられた。次回期日を9月3日として閉廷した。
 千葉県弁護士会館で、伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。最初に市東さんがあいさつし、「今日は三里塚らしくない、裁判らしい裁判でした」と一同を笑わせ、5・24請求異議裁判への結集を訴えた。葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団が法廷を解説し、「開示勧告は粘り強い闘いでかちとった前進」として確認した。
 最後に伊藤さんが、5・24請求異議裁判、7・8天神峰樫の木まつりへの参加を呼びかけ、集会を締めた。
午後には反対同盟と支援連は千葉市繁華街に出て情宣活動を行い、市東さん農地への強制執行を許さない署名を集め、労働者市民と交流した。

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