高原恭平全学連新委員長に聞く 権力と非和解の三里塚に学び、全国学生の力で改憲阻止する

週刊『三里塚』02頁(1001号02面01)(2018/10/08)


高原恭平全学連新委員長に聞く
 権力と非和解の三里塚に学び、全国学生の力で改憲阻止する


 9月に開催された全学連大会で新たに委員長に就任した高原恭平さん(東京大学2年生)に、学生運動にかける思いと今後の展望、三里塚闘争勝利への決意を聞いた。(聞き手 全学連行動隊)

 ----学生運動を始めたきっかけは何ですか?
 私は自分が問題だと思うことで行動を起こすには、学生だろうが労働者だろうが退職した人だろうが当然のことだと思っていました。東京大学に入学して感じたのは、学生自治会の運営の雑さ。だったら自分が役員に入って変えていこうと考えたことがきっかけです。
 どうやったら自治会を発展させられるのかとずっと考えてきました。そうするとちゃんと自治会のことを考えている党派は中核派しかなかったんです。共産党なんかは街頭主義ですからね。

東大駒場での闘いの発展へ

 ----新委員長として、どう闘っていきますか?
 まずは東大キャンパスでの闘いにこだわっていきたいですね。駒場キャンパスには今も公認の学生自治会が存在しています。なので、そこと連携してやっていきたいという思いが強いです。本郷キャンパスでは現状、学生運動がないので、問題意識のある学生とともにゼロから再建していきたいです。
 東大でも立て看板規制が問題になっています。2016年に起こった事故を口実にして規制がかけられて、今は駒場キャンパスの正門の外に立て看板が立てられないことにされています。当時、当局の論理をひとつひとつつぶして破綻に追いやった、でも規制が続いているのはまだ学生に力がなかったからという一点につきます。今年問題意識を持った一年生が入ってきて、京都大の闘いにも刺激を受けて、やっぱり「おかしいことはおかしい」と声を上げて、実力で撤廃させなきゃと一緒に運動を始めたところです。京大生のように当局と向き合って直接対決する力をつけていきたいですね。
 ----全国の学生と連携するのも重要です。
 大学のあり方は、文科省の大学政策が一番の基盤になっていますから、各個別の大学内でやり合っているだけでは本質的な解決にはならない。全国の学生が団結して、文科省という共通の敵と闘っていくということだと思います。
 加えて現在、「国のための大学」にする攻撃が本当に激化しています。「日の丸・君が代」強制や「安全保障関連技術推進制度」、東大でもオリンピックに協力する機関をつくる攻撃があります。
 大学を押さえないと戦争はできません。最新技術は大学で生み出され、学生という戦力もある。さらに大学という権威を使って「愛国心」のイデオロギーをふりまくことが必要なわけです。逆に言えば、大学を労働者人民がしっかり押さえておけば戦争はできないということです。
 ----労働者との連帯が重要になってきますね。
 例えば教育労働者との連帯っていうのは一番やりやすいんじゃないかと思っています。連帯というのは、実際の闘争課題がないとなかなかできるものではなく、苦闘する中で「じゃあ労学連帯だ」というところに行き着きます。重要なのは、全学連がしっかり連帯を訴えていくということと、大衆に必要だと実感してもらうということだと思います。つまり闘わないと進歩はないということです。

100年耕す農地絶対に守ろう

 ----改憲決戦の中で三里塚闘争はどう位置付いていくと思いますか?
 それは主に二点あると思います。一点目は改憲という情勢の中で、労働組合にせよ、学生自治会にせよ「抵抗勢力」はどんどんつぶされます。そういう中で権力と非和解で闘い続けてきた三里塚に学んでいかなければいけません。条件闘争で妥協して切り抜けるのではなくて、三里塚のように闘うことが必要だし、そうじゃないと勝てないと考えています。
 二点目は、星野さんの闘いにも通じる話ですが、人間本来の共同性を奪還する闘いとして三里塚があるということです。成田市にある市東さんの農地がとられることは、東京に住んでいる私たちにとっては関係がないように見えるかもしれない。でも、自分だったら100年耕してきた農地が、戦争のための空港に取られるなんて絶対にいやじゃないですか。相手の立場に立って考える、そうしたときに、三里塚闘争に必ず勝利しなければと思います。
 ----農学部に進学するとうかがいましたが。
 国際開発農学という専修に進む予定です。発展途上国を中心に世界の人口が増えていく中でどう農業を変えていくか、日本の農政についても考えていきたいです。
 第1次産業というのは人間の生活の根底にあるものです。端的に言えば、食べ物がないと人間は死んでしまいます。でもそれを無視し、補助金のカットが進められたり、安全性の不確かな輸入食物が入ってきています。こういったことにも問題意識を持って学ぶ中で解決を模索していきたいですね。

全国で10・21国際反戦闘争

 ----最後に秋からの改憲決戦の展望をお願いします。
 まず、全学連にとっての大きな課題として京大の立て看板規制や吉田寮の問題があります。立て看板にせよ吉田寮にせよ、残していくためにはやはり三里塚のように闘っていくということかなと思います。そういう意味で10・14三里塚全国集会には多くの学生を集めたい。
 さらに今年の10・21国際反戦デー闘争は、全国で同時開催します。国際連帯の力で実際に戦争を止めた記念すべき日です。そして11・4全国労働者集会に1万人の大結集と全国の学生の大隊列を登場させることで、改憲阻止決戦を切り開いていきたいです。
 ----ありがとうございました。

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