新やぐら裁判 墨塗り文書開示を 弁護団がNAAを追及

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週刊『三里塚』02頁(1005号01面04)(2018/12/10)


新やぐら裁判
 墨塗り文書開示を
 弁護団がNAAを追及

(写真 団結街道封鎖攻撃と対決して造ったやぐら【左】)

(写真 内田博久裁判長)


 11月26日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で新やぐら裁判が開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民は、「農地死守」の決意を一つに固めて闘った。
 この裁判は、市東孝雄さんの天神峰農地に建つやぐら・看板などの4つの物件について、成田空港会社(NAA)が反対同盟に対し「収去と土地の明け渡し」を求めて提訴したものだ。だがNAAにそんな請求をする権利も資格もない。市東家に無断で秘密裏に行った空港公団(後のNAA)による旧地主からの土地取得・買収が、農地法違反であり無効だからだ。
 NAAはこの間、「土地取得」にあたって旧地主・岩澤と交わした「覚書」を開示したが、これには部分的に黒く墨塗りがされている。この隠された部分をすべて開示するよう求める反対同盟側に対してNAAはこの日までに、「今後の用地買収交渉の妨げになる」という理由をつけて拒否の姿勢を明らかにした。
 開廷早々弁護団が「今後の買収交渉と言うが、空港のどこの用地を取得しようとしているのか」「空港のどの計画にかかわる取得なのか」と鋭く追及すると、NAA代理人の和田衛は「言えない」「土地の売買金額に影響するから明らかにしない」と繰り返した。そんな具体性が皆無の答弁では、墨塗り正当化の理由にはならない。(民事訴訟法第220条4項の開示を拒める文書かどうか判断できない)
 弁護団の激しい追及を受けて窮地のNAA側を救済するかのように、内田裁判長は「これ以上の説明を求めない」とNAAの態度を容認し、これに対して傍聴席からは怒りの声が次々と上がった。
 さらに弁護団は、天神峰農地について、空港公団が市東家との間で権利消滅補償契約を結んでいたのかを問いただしたが、NAAは答えを先送りした。憲法第29条では「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる」とあるが、直接耕作者である市東家に対して公団は何ら「正当な補償」をせずに土地を「取得」し、賃貸借契約を解除した。そして、あとで「離作補償」を支払えばいいと主張する。重大な憲法違反であり無効だ。
 弁護団はさらに学者・専門家証人などを含め、人証申請の予定を述べた上で、「原告は証人も意見書も出さないのか」と問うと、和田代理人は「予定はない」と答えて卑屈な笑みを浮かべるのみ。
 次回期日を3月4日と確認して閉廷した。
 弁護士会館で伊藤信晴さんが司会を務め、報告集会が開かれた。
 葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団が法廷での応酬を解説し、市東さんには揺るぎない賃借権=耕作権があり、この新やぐら裁判での闘いが市東さんの天神峰農地への強制執行を阻む重大な力であることを再確認した。
 動労千葉の滝口誠さんが連帯発言を行い、「どんな判決が出てもこの地で農業を続ける」との市東さんの心意気に応えて共に闘うことを誓った。「市東さんの農地取り上げに反対する会」は、11月18日に東京で開いたシンポジウムの成功を報告した。最後に反対同盟決戦本部長の太郎良陽一さんが、12月20日の請求異議裁判判決に向けて、要望書を集め、現地結集運動を強め、何よりも農地を守る市東さんの闘いの正義を一層拡大することを熱烈に訴えた。
 開廷に先立ち、反対同盟と支援連は裁判所前での早朝ビラまき行動に立ち、「民事第5部・高瀬順久裁判長は強制執行を認めるな!」と訴えた。

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