誘導路裁判でNAAを追及 議事録を提出せよ

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週刊『三里塚』02頁(1014号02面03)(2019/04/22)


誘導路裁判でNAAを追及
 議事録を提出せよ

(写真 内野俊夫裁判長)


 4月23日、千葉地裁民事第3部(内野俊夫裁判長)で第3誘導路裁判が開かれた。
 今回は最初に、陪席裁判官の交代に伴う更新手続きとして、弁護団が意見陳述を行った。
 成田空港は1966年の一方的な閣議決定で最初から住民の意思を踏みにじり敵視して造られてきた、それ自身違憲・違法の存在であり、国際空港の要件を満たさない欠陥空港である。また有事の際には軍事空港として使われる。
 B滑走路と第3誘導路も基本計画を踏みにじって建設されてきた。こうしたやり放題の歯止めなき空港拡張によって、騒音と事故・落下物の危険をまき散らし、天神峰の市東孝雄さんをはじめ空港周辺の住民の生活を現に脅かしている。
 さらに今、空港機能強化策と称して、B滑走路の再々度の北延伸と新たな第3滑走路の建設によって敷地を2倍に拡大し、大量移転と騒音地獄を住民に強要しようとしている。
 これまでの裁判の中で国とNAAが市東さんに対し、「騒音を承知で帰ってきて住んでいるから原告適格がない」などと言い放ったことは、強盗の居直りに等しい暴言であり、絶対に許されない。第3誘導路とB滑走路の供用を今すぐ中止せよ!
 そして、NAAは「騒音健康影響調査」の全データについて、調査委員会の報告書などの提出には応じながら、同委員会の議事録については「提出義務はない」と拒否している。
 これに対し弁護団は徹底的に反論をたたきつけた。
 騒音問題は、その地域住民の人権侵害にかかわる重大問題である以上、公的性格を有している。調査・報告書作成の経過において、収集されたデータにどんな分析が加えられ、議論され、結論に至ったかは報告書の正確性を判断する上で必須不可欠だ。それを隠すというのは騒音被害の科学的解明を妨げることであり、「空港の公共性」を口にする資格はない。裁判所は直ちに議事録の提出を被告に命じなければならない。
 裁判長は「次回までにNAAは反論を」と結論を先送りして、次回期日を9月6日、次々回を12月3日として閉廷した。
 千葉県弁護士会館で、伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。
 動労千葉の中村仁さんが連帯発言に立ち、千葉県労働委を弾劾する裁判で同じ内野裁判長と対峙していることを報告し、ともに勝利することを誓い合った。

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