団結街道

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週刊『三里塚』02頁(1016号01面06)(2019/05/27)


団結街道


 裁判員制度の施行から10年を迎えた▼最高裁が今年1月〜2月に行った調査では、「参加したい」「参加してもよい」と答えた人の割合は15・5%。昨年度の裁判員候補者の「選任手続き」への出席率は67・5%で「無断欠席」は3割を超える。辞退率は過去最高の67%。今や呼び出された裁判員候補の裁判への出席率は2割程度だ▼大谷直人最高裁長官は、「戦後最大の刑事司法改革がおおむね順調に歩み続けていることに感慨を覚える」と言う。このようなゆがんだ現状認識を持つ人物をトップにおく裁判所が、公正・公平に人を裁くことができるはずもない▼裁判員裁判の件数が全国で最も多いのが千葉県だ。成田空港があるため、覚醒剤等の密輸事件が全体の約4割を占めている。合田悦三千葉地裁所長は、「順調に運用されてきたという印象。市民の協力が最大の要因」とうそぶく。覚醒剤取締法では、(密輸を)知っていれば最高刑は無期。知らなければ無罪。判決の振れ幅は大きく、裁判員の心理的負担は重い▼マスコミは裁判員の負担軽減を訴えているが、そもそも「重大事件に市民を関与させる」ために裁判員制度は作られた。最大の狙いは、呼び出し状という「現代の赤紙」で「殺される(裁かれる)側から殺す(裁く)側へ」と国民の意識を転換させることだ。裁判員制度は修正ではなく廃止以外ない。1人の拒否をみんなの拒否に。みんなの拒否で制度の廃止を。
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