北総の空の下で 浪江町の現実 復興五輪はペテン

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週刊『三里塚』02頁(1016号02面06)(2019/05/27)


北総の空の下で
 浪江町の現実
 復興五輪はペテン


 新緑が深みを増す季節です。周辺の畑で、さつま芋のかまぼこ型のうねが、畑の形状に合わせてカーブしながら空き畑を埋め尽くす様は見事です。わずかの畑も遊ばせない農家の心意気を感じます。
 市東孝雄さん、萩原富夫さんの産直畑は、多種類の野菜で活気にあふれています。霜よけトンネルの役目が終わり、中で育ったキュウリ、人参、ナス、ピーマン、トウモロコシなどが畑を一挙に緑に変えています。一緒に芽吹いた雑草は育つ前に一掃したいところですが、さて今年はどこまでできるか……。
 周辺の農家で、福島県浪江町から成田に避難しているお婆さんの話になりました。その方が郷里に思いをはせて書いたという手なれた風景画を見せていただきながら、やり切れなさと怒りで叫びだしたい気持ちでした。 
 防護服に身を包み、線香あげに帰宅した家は、野生動物に荒らされ放題。家を壊してと言っても固定資産税が入らなければ町が機能できないと放置され、新しい耕運機を売ることも許されず……住民票は浪江にあるため選挙にも行けない!
 現在、故郷に帰った原発避難者はたった1割。なのに最初の避難住宅を出た時点で住宅支援が打ち切られ、名簿からも抹殺されてしまうため、避難者が4割も減ったかのように復興宣伝されている記事を読みました。
 統一地方選で五輪に反対した唯一の候補・洞口さんに託された声なき声を掘り起こし、復興五輪のペテンを暴きましょう。
北里一枝
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