明日も耕す 農業問題の今 まさに「現代の奴隷労働」 改悪入管法粉砕しよう

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週刊『三里塚』02頁(1016号02面05)(2019/05/27)


明日も耕す 農業問題の今
 まさに「現代の奴隷労働」
 改悪入管法粉砕しよう


 日本の人口減少・労働力人口の不足は新自由主義が生み出したものだ。日帝経済の根幹をゆるがすこの絶望的危機を、「現代の奴隷労働」「現代の徴用工」をさらに拡大して突破しようという改悪入管法が施行された。

 安倍政権は、「働き方改革」の軸のひとつとして4月1日施行の改悪入管法で「特定技能1号・2号」を新設し、14業種に「即戦力」となる外国人労働者を今後5年間で最大35万人導入しようとしている。
 これまで労働力不足を補う外国人労働は、留学生などの週28時間以内の資格外労働(アルバイト)が技能実習生によってなされてきたが、それでは対応できなくなった。そこで、とりわけ十分な人材が確保できない14分野(介護や建設業、農業、外食業など)を「特定産業分野」とし、特定産業分野に限って外国人が現場作業などで就労できるようにしたのだ。

国際貢献は建前

 しくみの上では、「特定技能」と「技能実習」は全く違う。
 外国人技能実習制度は、「日本の技能、技術、知識を開発途上地域へ移転して開発途上地域の経済発展を担う人づくり」を目的としたもので、「労働力の需給の調整の手段として行われてはならない」(技能実習法第3条第2項)と記されている。形の上ではこの目的に沿った作業に限られる。農業で言えば、耕種農業の施設園芸、畑作・野菜、果樹と畜産農業の養豚、養鶏、酪農の2職種6作業に限られる(昨年11月の法改定で現在はさらに拡大)。
 実態は当初から単純作業の労働力不足を補うもので、「現代の奴隷労働」「現代の徴用工」として世界的にも批判を浴びている制度だが、さまざまな制約があった。

特定技能の狙い

 一方、「特定技能」は外国人労働者としての就労資格になる。
 人材不足が顕著な業種の労働力を確保するための在留資格なので、特定技能の対象となる業種であれば、広い範囲での労働を行うことができる。そうでありながら安倍政権は、「移民政策とは異なる」として、特定技能1号の場合は在留期間の上限を通算で5年としたり、「家族の帯同を認めない」と言い放っているのだ。
 新たな就労資格「特定技能1号」は、技能実習生で3年以上の実習経験があれば無試験で移行可能だ。初年度は、日本で働いている技能実習生からの「特定技能1号」への大量移行を見込んでいる。しくみの上では別物なのに、外国人技能実習制度と一体で、これを見直すこともなく、その上に積み上げられる新制度なのだ。農業分野では、「特定技能」の創設から5年間に受け入れる外国人労働者のうち「技能実習」からの移行者は90〜100%と試算されている。「移民ではない」と強弁し、外国人労働力を導入して搾取・収奪しつくそうという安倍政権を許すな。
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