団結街道裁判小泉成田市長を証人採用せよ 市と裁判所のなれ合いを追及

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週刊『三里塚』02頁(1020号01面04)(2019/07/22)


団結街道裁判小泉成田市長を証人採用せよ
 市と裁判所のなれ合いを追及

(写真 内野俊夫裁判長)

(写真 団結街道裁判の報告会【16日】)

(写真 小泉一成成田市長)


 7月16日、千葉地裁民事第3部(内野俊夫裁判長)で団結街道裁判が開かれた。
 天神峰の市東孝雄さんが自宅と南台の畑を往復するために日常的に使用していた団結街道(成田市道)を、成田市は2010年6月に暴力的に封鎖・廃止し、その土地をNAAに売り飛ばした。この前代未聞の暴挙に対して、違法性を徹底追及するのがこの裁判だ。
 開廷早々、弁護団は意見書を朗読し、小泉一成成田市長の証人採用が絶対に必要であることをあらためて突きつけた。
 昨年2月に証人として出廷した元成田市土木部長・中村壽孝は、廃道にした経緯・根拠・手続きなどについて、「わからない」「記憶にない」を繰り返した。交通量調査もせず、過去の廃道の前例の調査もしていないという。証人としてまったく話にならない。
 最高責任者である小泉市長の証人採用を弁護団が要求したところ、裁判長は「道路管理課から証人を出してはどうか」と市に催促し、市はそれに直ちに応じて元成田市道路管理課主任・松本光平を出廷可能の証人として用意してきた。
 だが松本は証人としてまったく不適切だ。
 松本は4者協議会(国交省、NAA、千葉県、周辺9市町)に出席していない。松本は「NAAとの実務者協議に出席していた」「書面による庁議の起案に関与していた」と言うが、決まったことを上司の指示で実行していただけだ。
 松本は「機能補償道路(団結街道封鎖後の代替道路と畑との接続部分)の整備時期を記憶している」そうだが、だから何だというのか。中村よりもはるかに下の役職だった松本が、本件道路の廃止に主体的に関与する余地はありえない。団結街道廃道の決定は結局、廃道の要件を定めた道路法10条を一切無視して、小泉市長の「ツルの一声」で決められたのだ。
 松本ではなく、小泉市長を証人採用せよ!
 これに対し裁判長は、「市長の証言が必要ないと決めたわけではない。まずは松本の陳述書を出してもらって判断したい」などと言う。松本証人採用を口実に、「小泉は不要」とする結末が見えすいている。
 市となれ合う訴訟指揮を続ける内野裁判長に対し、弁護団全員の猛然たる抗議とともに、傍聴席から弾劾の声が次々と湧き起こった。裁判長はその声に圧倒されながらも姿勢を変えず、被告・市に対して、松本の陳述書を9月17日までに提出することを促した。
 次回期日を11月1日(金)午前10時30分としてこの日は閉廷した。
 付近の会場で、太郎良陽一さんの司会で報告集会が開かれた。最初に弁護団事務局長の葉山岳夫弁護士が立ち、「本日に松本証人採用を決めてしまおうとする裁判所の思惑を打ち砕いた」と勝利を宣言した。続いて弁護団全員が発言し、小泉市長を証言台に立たせるまで粘り強く闘い抜くことをあらためて誓った。
 動労千葉の中村仁さんが連帯発言に立ち、「私たちの力で、裁判長が小泉市長を呼び出すしかないような状況をつくり出そう。安倍政権が進める改憲を阻止するために、労働組合としてしっかり闘う」と決意を述べた。さらに市東さんの農地取り上げに反対する会が裁判闘争を闘う決意を表した。
 最後に太郎良陽一さんが今後の闘いのスケジュールについて、7・29千葉地裁包囲デモと耕作権裁判―新やぐら裁判、8・25現地一斉行動と天神峰カフェ、9・24請求異議裁判控訴審第1回(東京高裁)、10・13三里塚全国総決起集会を確認した。
 そして周辺住民の中へ一層分け入り、10月に予定されるA滑走路飛行時間延長に対する怒りを組織し、市東さんの農地を絶対に守ることを確認して、この日の闘いを締めくくった。

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