韓国への排外主義扇動許さない 日韓連帯で安倍倒そう

週刊『三里塚』02頁(1022号01面04)(2019/08/26)


韓国への排外主義扇動許さない
 日韓連帯で安倍倒そう

(写真 民主労総ソウル地域本部のヨンスノクさんが「平和の少女像」に扮しパフォーマンス【8月12日】)

 日本帝国主義・安倍政権は韓国に対する敵視政策を進め、8月2日、韓国を輸出手続きの優遇国(ホワイト国)から外すに至った。
 「慰安婦」「徴用工」など、かつての日本帝国主義の戦争犯罪を追及する声が韓国において高まっていることに逆上した安倍は、表向きは「通常の措置」などとしらを切りつつ、露骨な経済報復に出たのだ。絶対に許すことはできない。
 韓国大法院が徴用工にされた人びとへの賠償を日本企業に命じたことに対し、安倍は尊大に「1965年の日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決している」と繰り返し強調するが、とんでもない居直りだ。
 「国同士が手を打った」からといって、個人の賠償請求権が消滅するわけではまったくない。
 そして、日韓基本条約とともに結ばれた65年請求権協定は、朴正煕(パクチョンヒ)大統領の韓国軍事独裁政権に対し、日本から5億㌦を供与することで賠償問題を「終わらせた」とするものだ。その5億㌦は韓国の急激な工業化のために投下され、侵略戦争と植民地支配の被害者にはまったく届いていない。
 韓国では、「賠償なき国交回復」を強いる日韓基本条約締結に対し、戒厳令弾圧を打ち破って学生を先頭に決死の抗議デモが猛然と巻き起こった。これに応えて日本でも、条約を「朝鮮半島への再度の侵略の開始」ととらえ、65年には国会批准に反対するデモが数万人の規模で闘われた

右翼の妨害で不自由展中止

 こうした歴史的事実に一言も触れることなく、マスコミは連日、「決着済みのことを韓国が蒸し返してきた」と、安倍政権がふりまく大うそをそのまま流しているのだ。
 8月1日から愛知県で開催されている国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の中の企画展「表現の不自由展・その後」が、開幕から3日で中止に追い込まれた。展示の中に、慰安婦にされた女性を象徴する少女像などがあったことに対し、電話、メールなどによる「抗議」が殺到した。襲撃を予告するファクスも届いた。
 日帝の戦争犯罪を「なかったこと」にしたい右翼反動勢力による卑劣な脅迫の常套手段だ。彼らは、自民党・安倍政権によって直接組織・育成され、けしかけられている連中だ(J―NSC=自民党ネットサポーターズクラブ、会員数1万9千人)。彼らは日々インターネットで「反日」的なものを探し出しては、ゆがんだ憎悪をたぎらせて攻撃するのを常としている。極右の宰相とその別働隊が、民族差別・排外主義をあおり、暴力で言論・表現の自由を押しつぶしている。30年代のファシズム運動が形を変えて今日登場していると言っても過言ではない。

三里塚は反撃の先頭に立つ

 安倍は戦争のできる国への「飛躍」をかけて、憲法改悪、自衛隊海外派兵の拡大、米トランプ政権からの高額兵器の大量購入、戦争犯罪の居直りと韓国への敵視政策、そして全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への凶暴な大弾圧などを進めている。
 この安倍政権を「今すぐ倒したい、倒さなければ」という声がいよいよ高まっている。「農地死守・空港絶対反対」を掲げ、国家暴力に対し実力闘争をたたきつけ、半世紀を超す歴史を刻んできた三里塚闘争は、そうした民衆の願いと期待に応え、反撃の闘いの最前面に立つ時を迎えている。
 韓国民主労総ソウル地域本部の労働者たちは、動労千葉の案内で毎年三里塚現地を訪れ、三里塚反対同盟との交流を重ねてきた。心からの尊敬を込めて互いの闘いの厳しさと力強さを認識し合い、労働者・農民の闘いは国境を越えて一つに結ばれていることを実感してきた。
 この国際連帯・労農連帯こそ、安倍・右翼がふりまくヘイト・差別・敵視・排外主義を根本から打ち砕く原動力だ。戦争・改憲と分断の攻撃に大反撃をたたきつけ、市東さんの農地強奪攻撃を絶対に粉砕しよう。
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