団結街道

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週刊『三里塚』02頁(1022号01面06)(2019/08/26)


団結街道


 日教組が企画し、被爆した広島市民ら8万8千人が参加した映画「ひろしま」がNHKで放映された▼原爆投下から7年後の高校の教室から物語は始まる。授業中に鼻血を出し倒れる女子生徒。戦後広島に赴任した教師は原爆について考えてこなかったと自己批判し、原爆症(白血病)について生徒と語り合う▼ある生徒は原爆と平和の問題について、世界の人たちよりもまず日本人に、それよりも広島の人、クラスの人、先生にわかってもらいたいと訴える。「復興」し始めた街中、警察予備隊募集の看板が映る▼8月6日の回想シーンへ。原爆投下後の様子が克明に描かれる。川に入り流されていく教師と「おかあちゃん」と叫ぶ子ども。氏名不詳の死体が積み重ねられ燃やされる。似島の病院では焼けただれた子どもが「寒いよ〜」と。灰燼に帰した街では天皇陛下万歳を叫ぶ錯乱した大人。他方、県警本部では「速やかに職場に復帰せよ」と号令が発せられ、軍部は「民心の安定」を理由に原子爆弾との発表を伏せる▼戦後の印象的なシーンは、「パパ、ママ、ピカドンでハングリー」と練習する孤児らと、大砲の弾を作りだしたことで工場をやめ、どくろを観光客に売る青年だ。ラストは、原爆ドームへの平和行進。起きあがった膨大な死者の群衆は圧巻だ▼映画が終わると、放送時間終了を知らせる「君が代」が流れ、「日の丸」が映し出された。亡霊の供養(打倒)が必要だ。
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