被災者放置、改憲突撃の安倍政権を倒そう 10・13三里塚集会へ 「市東さんの農地を守る」 反対同盟が総決起を訴え

週刊『三里塚』02頁(1024号01面01)(2019/09/23)


被災者放置、改憲突撃の安倍政権を倒そう
 10・13三里塚集会へ
 「市東さんの農地を守る」
 反対同盟が総決起を訴え

(写真 耕作権裁判に先立つデモの先頭に立つ市東孝雄さん【7月29日 千葉市】)


 安倍は被災地を無視して内閣改造を行い、改憲を「困難でも必ずや成し遂げる」と表明した。改憲・戦争阻止の最前線=三里塚闘争の破壊を狙った三里塚芝山連合空港反対同盟・市東孝雄さんの農地取り上げ強制執行を阻止する強大な陣形を築き上げ、今秋決戦で安倍政権を打倒しよう。台風被害・大停電に無為無策の政府・東電への怒りを、10・13全国集会の大結集へと結びつけよう。自らも被災しつつ地域住民との連帯を求めて日々奮闘する反対同盟事務局の伊藤信晴さん、決戦本部長の太郎良陽一さんに、集会にかける意気込みと決意を伺った。

労農連帯を強化して
 反対同盟事務局員 伊藤信晴さん

 今回の台風災害へのご支援ありがとうございます。本当に勇気づけられました。みなさんの激励をバネに、より一層がんばっていきます。
 私の住む芝山町では、1週間以上たっても全体約3千軒のうち2500軒の停電が続いています。空港は真っ先に直して飛行機をバンバン飛ばし、騒音下の住民にはエアコンのつかない生活を強制。開けざるを得ない窓からは騒音が容赦なく入ってきます。
 芝山町では防災放送も最初の3日間くらいはなく、役所は停電のことは東電に聞いてと被害状況の把握もしていない。倒木の片づけは地域の消防団がやっています。
 他の場所では大浴場を開放しているのに、芝山町では、2人しか入れない風呂に男性は10分、女性は15分と区切られ2時間待ちでした。町の対応は本当にひどい。空港一辺倒のゆがみが出ています。
 この災害の状況を見ても資本主義は終末を迎え、戦争を起こす以外に延命できなくなっています。今こそ打倒するチャンスです。搾取され収奪されている民衆との真の連帯を求めていきたい。
 私たちは当初から労農連帯を掲げて闘ってきましたが、もう一歩踏み込んだ労農連帯を築き上げないといけない段階に来ています。関西生コン支部への大弾圧、動労総連合の裁判の打ち切りなどをみると安倍政権は本気で労働組合をつぶそうとしています。これを跳ね返す道は職場で労働者が労働組合をつくり、団結を取り戻すことです。新自由主義によってあらゆる連帯・つながりが破壊されてきた中で、動労千葉、関西生コン支部を守り、京都大学の学生に対する処分などあらゆる弾圧を許さない闘いが大事です。
 その上で、全民衆の力で市東さんの農地強奪攻撃を打ち返すことが戦争を阻止する道であることを改めて訴えます。市東市太郎さん、東市さん、孝雄さん、3代にわたり耕し続け不屈に闘い続ける姿の中に、日本農民の歩んできた道を象徴的に見ることができます。市東さんの農地死守決戦を徹底的に闘うことを通して、戦争・改憲に突き進む安倍政権を倒す陣形を広げましょう。
 首都圏空港機能強化策は根底において破産しています。そもそも内陸に空港を持ってきたこと自身が住民無視の無謀な計画です。国内の多くの空港や基地でも夜間は8時間以上の静穏が確保され、睡眠が保障されています。しかし、「成田は国際空港だから」と言って24時間化を進めています。羽田も大臣との約束を破って都心上空を飛ばそうとしています。
 53年の闘いで事業認定を失効させた闘いの大きな地平を武器に、空港機能強化策を必ずや粉砕できると確信しています。住民が強いられている困難な生活への怒りと結合し、10・13集会への大結集へ共に闘いましょう。

全国の闘いと結合し
 決戦本部長 太郎良陽一さん

 2016年10月の最高裁での農地法裁判の反動判決確定を受け、17年の反対同盟旗開きをもって市東さんの離れで決戦本部を立ち上げ、強制執行を許さない闘いを続けてきました。昨年12月の請求異議裁判の一審判決直後は、仲間とともに強制執行を体を張って絶対に阻止するための座り込みを行い、今日に至っています。
 その勝利的地平の上に立って、これからの闘いが単に今までの延長線上ではいかないということを実感しています。これまでも三里塚は福島、沖縄をはじめ多くの地域闘争、労働組合の闘いなどと結び合ってきましたが、この連帯をさらに全国的に発展させることに、力を注ぐことが必要です。
 先日の天神峰カフェ&一斉行動は、空港機能強化策の被害の当事者となる近隣住民、動労千葉の繁沢敬一副委員長、東京や関東近県のみなさんが駆けつけてくれて、盛大に行うことができました。第3滑走路建設計画による立ち退き強制や、この10月から強行されるA滑走路運用時間延長に伴う深夜騒音拡大の攻撃にさらされ、住民の方々がどれだけ怒りと不安を抱いているかを実感することができました。
 今実際に安倍政権のもとで、多くの人々が生活を脅かされ、命の危機にさらされています。千葉県を襲った台風による被害も、自然災害なんかじゃない。人々がいつ果てるともわからぬ暗闇生活を不安の中で過ごしている一方で、この国の首相と政府は、内閣改造と改憲に熱中しています。
 この資本主義社会の中で、庶民は幸せになれるはずがありません。
 先日、住民に強制収用攻撃がかけられている長崎県の石木ダム建設の闘いの現場に行って、反対運動の熱気を感じてきました。
 私たちが市東さんの農地を守る意味も、あらためてはっきりしたと思います。この農地は単に市東さん個人のものではなく、全人民の共同の財産です。闘う全国の人々と結びつくかけがえのない拠点です。
 私も全国各地に出かけて三里塚を訴えてきましたが、「三里塚まだやってるの」と驚かれることも少なくありません。過去に三里塚に触れた人は全国に無数にいて、その体験を糧に自分の現場で奮闘していることが伝わってきました。ならば、安倍政権が改憲・戦争推進で極右の正体をむき出して襲いかかっているこの時に、再びみな三里塚で一つにつながろう。まだ三里塚を知らない青年たちにも、「ここに勝利の道がある」と熱烈に呼びかけたい。
 三権一体となった巨大空港建設・農地強奪攻撃が、市東さんに襲いかかっています。
 これを労農学人民の実力で迎え撃つのが半世紀を超える三里塚闘争であり、10・13全国総決起集会はその真骨頂を示す日です。みなさん、三里塚に集まってください。

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