千葉に台風直撃、大停電続く 反対同盟に救援カンパを

週刊『三里塚』02頁(1024号01面02)(2019/09/23)


千葉に台風直撃、大停電続く
 反対同盟に救援カンパを

(写真 市東さん宅のビニールハウス)


 9月9日未明、千葉県に上陸した台風15号は、ここ北総台地にも大きな被害をもたらした。三里塚現闘も建物が破損し、7日間電気も水も止まった。(16日夕方復旧)
 萩原富夫さん宅は台所の屋根が破損した。ビニールハウスがパイプごと激しく変形して、一部が風に飛ばされて県道の電柱にぶら下がった。市東孝雄さん宅も2棟のハウスがボロボロになり、中にあったレタスなどの苗がダメになった。
 畑では、ナス、トマト、オクラ、ピーマン、モロヘイヤ、キューリ、青唐辛子などの夏野菜がダメになりネギも折れ曲がった。
 9月16日現在、千葉県全体で7万2800軒が停電しており、反対同盟では芝山町の伊藤信晴さん宅がまだ停電したままだ。
 房総の被害は、こちらとは比べものにならないほど甚大だ。農業被害ではビニールハウスの破損、倒壊や梨畑の防風・防鳥ネットの破損があり、梨やキウイなど果実が落果したりしている(日本農業新聞)。
 農林水産業の被害は193億円に上ると発表されているが、実態はとてもこんなものじゃない。

無為無策の政府

 そもそも今回の台風は「記録的な暴風雨」となることは予測されていた。しかし、安倍政権は改憲に向けた内閣改造にうつつをぬかし、台風被害について全く関心を払っていなかった。
 東京電力は、電力復旧の見通しを発表するたびに後ろに倒した。福島第一原発事故の際に連呼していた「想定外」が再び強調された。さらに東電は原発事故後、送電設備の投資を抑制したために老朽化電柱の倒壊が増えたのだ(12日付日経新聞)。政府・東電が引き起こした「房総版3・11」という言葉も聞こえてくる。
 千葉県の対応も遅れた。被害状況の情報が入らなかったと言い訳をしているが、情報がなければ直ちに職員を派遣するのが災害対策本部の役割のはずだ。ここにも人為的に職員を削減し続けた新自由主義の破綻が現れている。
 14日になってようやく森田健作千葉県知事や江藤拓農相が現地視察に訪れた。対応の遅れを指摘され、「足場をかためていた」という森田知事の言い訳は見苦しい。

農漁民は不屈に

 江藤農相は「できることは支援したい」(毎日新聞)と通り一遍の言葉を発したが、電気が使えなくて搾乳や水やりができずに牛が乳房炎になったり(朝日新聞)、豚が死んだりしている畜産農家をはじめ、現に被害は進行中なのだ。
 この危機感のなさが、「もうかる農業以外つぶれてよい」という安倍農政を象徴している。
 漁業の被害も計り知れないが、勝山漁協(鋸南町)の組合長は「漁業者は船と道具さえあれば何とか稼いでいける。ゆっくりと直して、また再起できれば」と語ったそうだ(千葉日報)。
 農業も同じだ。被害から立ち直るのは簡単ではないが、市東さんが「こうした被害は他でもいっぱい起きている。がんばっていこう」と述べているように、農地があれば耕し直しまた一から作物を育てることができる。
 こうして自然と向き合いながら苦難を乗り越え、世代を越えて耕し続け、農民は食を支えてきたのだ。一握りの連中の金もうけのために大切な農地を奪われてなるものかとあらためて思う。10・13全国集会に集まり、強制執行阻止の闘いに立ち上がろう。要望書とカンパを反対同盟に集中しよう。
(神部俊夫)

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