市東さんの農地守れ!第3滑走路粉砕を 12・24公聴会弾劾闘争へ 生活破壊の機能強化策許すな 12・14いも煮会に集まろう

週刊『三里塚』02頁(1029号01面01)(2019/12/09)


市東さんの農地守れ!第3滑走路粉砕を
 12・24公聴会弾劾闘争へ
 生活破壊の機能強化策許すな
 12・14いも煮会に集まろう

(写真 12・14現地闘争&団結いも煮会の集合場所である南台農地で作業をする市東さん【6月20日】)


 12・14現地闘争&団結いも煮会を成功させ、12・24公聴会闘争に立とう。2020年は、市東さん農地取り上げ攻撃と成田空港機能強化策との本格的な攻防の年だ。両者は一体の闘いであり、安倍改憲攻撃を粉砕する労働者人民の広範な闘争陣形を構築するものだ。「改憲・戦争阻止!大行進」運動の前進と共に、三里塚闘争の飛躍的強化を勝ち取ろう。全国の職場・地域から、関西生コン支部への弾圧と労組つぶしの攻撃に全力で反撃するとともに「市東さんの農地を守れ」「住民の生活を破壊する第3滑走路建設反対」「成田軍事空港粉砕」の声をあげよう。

公聴会はアリバイ作りだ

 成田空港会社(NAA)は11月7日、B滑走路の1千㍍延伸、C(第3)滑走路の増設等の整備について施設の変更許可申請を行った。この許可にあたり、国交省は12月24日、芝山文化センター(芝山町小池)で午前10時から公聴会を開催する。三里塚芝山連合空港反対同盟と周辺住民を先頭に、公聴会とNAAを弾劾する闘いに集まろう。(詳細決まり次第反対同盟ブログで発表)
 公聴会は、「利害関係を有する皆さんからご意見いただく機会を設け、広く意見を伺い公正に行政処理を行うべく」(国交省プレスリリース)などというものではない。NAAの計画認可の前提として、法的要件を取り繕うために行われる。そもそも首都圏空港機能強化策の当事者である国交省が、計画適否を判断すること自体が、茶番である。「広く意見を聞く」など、住民対策上の詭弁でしかない。
 実際、かつての1967年1月に千葉県庁で行われた工事実施計画認可のための公聴会は、アリバイそのものだった。戸村一作委員長など反対派は反対意見を行い、空港公団・県・市町村が賛成意見を述べた。公述人は、希望者の中から賛否同数の各18人を選び、1人10分ずつ、正味6時間、同日中に公聴会手続きが完了する計算で行われた。今回の公聴会も、形式的アリバイ行為だ。
 当日、芝山文化センターを包囲する抗議行動に決起しよう。

健康むしばむ騒音地獄に

 第3滑走路建設計画は、第一に地元住民の徹底した無視である。第3滑走路で破壊された上、芝山町の大半が騒音地区となり、残った住民も集落が分断され、昔からの人間関係が絶ち切り、騒音のみが浴びせられる。
 空港がある限り騒音問題は解決不能だ。C滑走路完成後は、飛行制限時間は、4時間半しかない。 NAAは、3本の滑走路の「スライド運用」で静穏時間を7時間確保するとしているがインチキだ。ある時は夜10時まで、別の日は0時半までと飛行機騒音を受ける。睡眠リズムが崩され、異変につながる要素にもなる。そもそも、内陸空港の欠陥として騒音問題の解決などできない。騒音下住民が要求する最低限の静穏時間である8時間の飛行制限が絶対的な要求だ。睡眠時間が6〜8時間でない場合、心臓発作や心筋梗塞を起こす割合が2倍、うっ血性心不全は1・6倍高かったとの研究が発表されている。まさに「騒音は命を削るリスク」だ。騒音下住民が怒りの声を上げ続ける限り、空港と周辺住民との共存などありえない。住民の屈服を前提とする第3滑走路に展望はない。
 第二に、反対同盟と住民が「絶対反対」で闘う限り機能拡張などできはしない。そもそも土地収用法の適用は二度とできない。土地所有者が一人でも反対すれば、第3滑走路は完成しない。
 またNAAの計画では、28年度までに滑走路及び付帯施設を建設するとしているが、そのための新たなターミナルビルや駐機場・改修施設はそれ以降という。完成予定図には、天神峰の市東さん宅地や東峰神社を含めた用地内東峰部落全体、また木の根や横堀の反対派の土地も含まれている。反対同盟が絶対反対で闘い続ければ、機能強化策は破綻する。
 第三に、成田空港拡張の根拠のでたらめさである。すでにJAL・ANAの欧米路線は羽田が成田を上回り、デルタ航空は成田から撤退し、成田の「空の玄関口」の位置は奪われている。年間発着回数は当面の目標の27万回にも達せず、なりふり構わず着陸料の値下げでLCCを誘致している。田村明比古NAA社長が「国内とアジアの都市とのネットワークを構築し、それによって長距離便が後からついてくる」(「ダイヤモンド オンライン」)と言うのは、LCCを増やせば何とかなるという希望的観測による素人経営そのもの。破綻は必至だ。

成田拡張は軍事空港建設

 空港機能強化の攻撃の本質は、第一に、改憲・戦争攻撃である。第3滑走路は「もう一つ新しい空港」を造るものであり、巨大空港建設自体が、戦争態勢の構築に直結する。
 朝鮮半島有事に関する日米間の「概念計画5055」では、米は日本国内の23の港湾、空港の調査を日本側に要求した。ウィキリークス公表の秘密公電で、「戦争計画の最も重大なリスクは、日本の空港と港湾への早期のアクセス計画がない」と日本政府に迫ったことが暴露されている。
 日米新ガイドラインでは、これをふまえて平時からの協力措置、施設の使用の項目の中に、民間の空港及び港湾を含む実地調査協力が明記され、成田空港もその例外ではない。成田空港こそ、4000㍍滑走路で大型輸送機の基地となる。軍事空港建設阻止の闘いをより一層強めよう。
 第二に、アジア勢力圏化の土台、それを基礎づけるのがインフラとしての大空港だ。
 国とNAAは、空港機能強化を「アジアの成長力を取り込む」ためと表明している。アジアを独自の勢力圏として構築するためのインフラ的要は空港だ。安倍は危機に立つ日帝の延命をかけて大空港建設に踏み出したのである。
 第三に、アベノミクスの行き詰まりの結果としての新たな経済対策の柱が第3滑走路建設だ。政府は、3兆円を超える規模の財政投融資のうちNAAに約4000億円融資するとした。
 安倍は、19年度補正予算案、20年度予算案を一体化して、野放図な財政投融資をテコとする財政政策に回帰した。それでも日帝の経済的破綻は不可避である。そのツケは増税と社会保障費の削減をはじめとする労働者人民からの収奪となる。第3滑走路はその象徴だ。
 第四に、三里塚闘争の解体を狙うものである。三里塚は日本人民の反戦・反基地闘争の拠点である。国家権力の暴力と闘い続け土地収用を粉砕した。三里塚闘争の解体なくして、戦争態勢の構築など不可能である。
 膨大な農地を奪い、敷地内住民と周辺住民の生活を犠牲にする第3滑走路計画を粉砕しよう。12・24公聴会闘争に住民とともに立ち上がろう。

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