強制執行は許されない 新やぐら裁判で3氏が証言

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週刊『三里塚』02頁(1030号02面03)(2020/01/01)


強制執行は許されない
 新やぐら裁判で3氏が証言

(写真 内田博久裁判長)

(写真 弁護士会館で報告集会)


 12月16日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で、新やぐら裁判が開かれた。
 この裁判は市東さんの天神峰農地に建つ反対同盟所有のヤグラ・看板などの4つの物件について、NAAが「収去と土地の明け渡し」を求めて提訴したものだ。今回から証人調べに入り3人が証言台に立った。
◎加瀬勉証人
 一人目の証人は加瀬勉さん。71年の取香の小泉よねさんに対する強制代執行を目の当たりにした。9月20日、「今日は代執行中止」と県知事の発表がもたらされ、よねさんが脱穀作業を始めた直後に、執行官、機動隊などが大挙して現れた。完全なだまし討ちだ。抵抗するよねさんの顔面に機動隊は大盾を打ちつけ、彼女は前歯を折り、白目をむいて倒れた。
 よねさんはその後東峰に移り住んだが、生きる希望を失って亡くなった。この「日本一貧しいおばあさん」を生活できるようにするのが、本来の政治ではないのか! 国家権力が法を凶器に変えて農民を殺すなら、こちらには実力闘争しかない。
 成田空港がまたしても巨大な第3滑走路を建設しようとしている。50年の歴史を反省し中止すべきだ。市東さんが有機無農薬野菜を作り続けることにこそ社会的意義があると、加瀬さんは裁判長に迫った。
◎平野靖識証人
 二人目の証人は平野靖識さん。91年から始まる成田シンポジウム、成田円卓会議にスタッフとして参加した。
 93年6月に空港公団は2期工事の収用裁決申請を取り上げ、事業認定の失効を確認。円卓会議最終回の94年10月に隅谷調査団の最終所見が示され、「平行滑走路の用地の取得のために、あらゆる意味で強制的手段が用いられてはならず、あくまでも話し合いにより解決されなければならないことが肝要」と確認された。公団、運輸大臣、県知事などがこれを受け入れ、合意した。
 裁判所が農地法裁判判決で勝手に付け加えた「話し合いが頓挫した場合はその限りではない」という解釈が入る余地はまったくない。平和的・理性的な解決の道に資する判決を出すべきと平野さんは訴えた。
◎伊藤信晴証人
 三人目は反対同盟事務局の伊藤信晴さん。
 市東さんの天神峰農地での反対同盟看板の設置にかかわってきた。天神峰農地北側に、誘導路を走行する飛行機からも見えるように長さ23㍍の「空港反対」の大看板を建設した(02年4月)。これの効果で台湾や韓国からの取材が来た。
 そして県道の脇に「成田軍事使用反対」「イラク出兵阻止」の高さ10㍍の縦長の看板を設置した(06年1月)。現在は「強制収用阻止」「第3滑走路粉砕」と書かれている。伊藤さんは、看板に書かれたスローガンが自分たちの生活の延長から生まれた言葉であり、心底からの叫びであり「反対同盟には正当な権限があり、明け渡しの必要などまったくない」と断言した。
 そしてNAAが文書提出命令にも従わず、自らの違法行為をつねに隠蔽しようとしていることを厳しく糾弾し、弁護団が求めている敵性証人の採用を決定するよう裁判長に迫った。
 NAAの3人の代理人は反対尋問を一切行わず、自分たちの農地強奪攻撃に一片の道理もないことをさらけ出した。
 次回期日は1月22日。

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