団結街道

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週刊『三里塚』02頁(1038号01面06)(2020/04/27)


団結街道


 二十四節気(にじゅうしせっき)の一つ「穀雨(こくう)」▼「春の雨がすべての穀物を潤す」という意味で春の終わりの時期をさす。今年は一斉行動日がちょうどこの日だった。前日の大雨から一転、雲一つない真っ青な空から降り注ぐ強い陽射しの中、多くの農家が代かきや田植え、イモ苗の移植に汗を流していた▼火照った体を冷ますように時折吹く爽やかな風。新緑が芽吹き、カエルの合唱とウグイスの鳴き声がB滑走路閉鎖後の静かな田園地帯に心地よく響く。翌日は「穀雨」らしく、ふたたび雨が田畑を潤した▼全国の中でも最も農業に適している土地だと農林省(当時)も認めていた肥沃な北総台地。その農地を「経済発展のため」「食料はいくらでも外国から買えばいい」と暴力的に奪って造られてきたのが成田空港だ。「コロナショック」で食料輸出を停止する国も出始める中、日本農家の最先頭で闘う市東さんの農地を守る意義はますます鮮明だ▼「今だけ、金だけ、自分だけ」の新自由主義は社会の維持に必要不可欠な医療・教育・農業ですら営利追求の場として食い物にし崩壊の危機に叩き込んできた。新型コロナウイルスの感染拡大で多くの人がその事実に気づきはじめている▼医療や食料がなければ人が死ぬ。安倍の無責任な補償なき非常事態宣言の下で、懸命に働く労働者・農民の命を守ろう。条件闘争で命は守れない。今こそ実力闘争の思想を。
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