成田空港拡張計画 白紙に戻せ 市東さんの農地を守ろう 6―7月裁判闘争と現地攻防に立ち、強制執行阻む陣形強化を

週刊『三里塚』02頁(1041号01面01)(2020/06/08)


成田空港拡張計画 白紙に戻せ
 市東さんの農地を守ろう
 6―7月裁判闘争と現地攻防に立ち、強制執行阻む陣形強化を

(写真 開拓組合道路で草刈り 反対同盟事務局の伊藤信晴さん【左】と太郎良陽一さん【右】を先頭に草刈り【5月24日】)


 5月28日、成田空港会社(NAA)の田村明比古社長が定例記者会見で「機能強化はスケジュール通り(29年3月完成)に着実にやっていく」と述べた。冗談ではない。航空需要は蒸発し、各国大手航空会社もNAA自身も政府の支援なしでは存続できない破綻的状況だ。機能強化の必要性も航空需要が回復する見通しもまったくない。三里塚芝山連合空港反対同盟・市東孝雄さんの農地をめぐる裁判闘争と現地攻防に立ち、機能強化を白紙撤回させよう。
 5月25日、一部マスコミが「成田空港の機能強化計画をめぐり、NAAが拡張予定地の地権者の土地や境界を明確にする用地測量作業に着手した」と報じた。
 だが、現在の成田の現実を見よ。B滑走路を閉鎖し、A滑走路1本で運用している。第1、第2ターミナルの一部やサテライトなどの諸施設も閉鎖し、店舗も休業。エプロンには行く当てのない飛行機が滞留し、多くの航空労働者、空港内労働者が一時帰休を強いられている。
 NAAの田村社長は5月28日の定例記者会見で4月の国際旅客数は前年同月比で98%減。単月で開港以来最低の6万9849人だったと発表した。さらに、航空機発着回数も85%減の2238回で、4月としては過去最低だった。
 国内線も、88%減の7万1172人。発着回数も68%減の1412回。
 4月の成田空港の利用者数は開港以来最低の14万1021人だ。
 5月1〜23日の発着回数も国際・国内線ともに9割近く減少している。
 さらに、NAAの21年3月期連結業績予想について「合理的な算定は難しく未定」と公表せず、「数百億円規模の赤字になる」と述べた。「利用者が戻るまでには相当な時間がかかる」と航空需要は回復しないと認めた。実際、19年度の利用者数は減少に転じている。B滑走路の閉鎖解除時期にも触れられなかった。
 にもかかわらず、田村は第3滑走路新設などの機能強化策について「スケジュールに影響させない」と述べ、用地買収に向け測量を実施するとしている。
 往生際が悪いとはこのことだ。コロナショックは一時的なものではない。280社の大手航空会社が加盟するIATA(国際航空運送協会)は、今年の旅客収入の減収規模が3140億㌦(約33兆5千億円)と試算した。航空機メーカー、部品メーカーの経営破綻も始まっている。
 日本では東京五輪を当て込んで、インバウンド(外国客誘致)拡大、観光立国政策が野放図に展開されてきた。訪日外国人が年間数千万人に達するという右肩上がりの予測のもと、羽田の国際化推進と都心上空の新発着ルート導入、成田の敷地拡張と深夜・早朝発着拡大などが進められ、成田市、芝山町などの周辺自治体もそれに寄りかかった。その矢先にコロナショックが襲いかかった。4月の訪日外国人は前年同月比99・9%減のわずか2900人! 五輪とともにすべてが水泡に帰したのだ。
 全世界で感染症が切実な課題として自覚された今、観光客バブルは永久に帰ってこない。
 B滑走路は機能を失いNAAが天神峰・市東さんの農地を奪う根拠も消失した。市東さんの農地を守る裁判闘争に勝利しよう。
 7月12日の第3回天神峰樫の木まつりへ。労農学連帯の力で成田を廃港に追い込もう!

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