全学連三里塚現地行動隊日誌 市東農地決戦の先頭に立つ 学費を無償にしろ 文科省抗議行動へ 全学連三里塚現地行動隊長 今井治郎

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週刊『三里塚』02頁(1041号02面02)(2020/06/08)


全学連三里塚現地行動隊日誌
 市東農地決戦の先頭に立つ
 学費を無償にしろ
 文科省抗議行動へ
 全学連三里塚現地行動隊長 今井治郎

(写真 市東さんの天神峰農地でゴーヤーの苗を植え、ネット張り作業を行った【24日】)

 あっという間に6月です。高い気温と少しジメッとした空気に、外出を控えていた方は一気に季節が進んだような感覚に襲われるのではないでしょうか。「緊急事態宣言」下で過ぎ去った5月。「解除」されても、自分と仲間の安全と健康を守るという基本は変わらず保ち続けましょう。
 5月19日、安倍政権は「学びの継続」のための『学生支援緊急給付金』を閣議決定しました。これはアルバイト収入が休業の影響で減少した学生に10万円、このうち住民税非課税世帯の学生にはさらに10万円が給付されるというものです。
 この給付金は、全国200以上の大学での学費減免を求める運動や全国一律の学費半額を求める運動の広がりなど、学生が声を上げたことでかちとった大きな成果です。しかし一方で、直後に対象や金額が少なすぎることを批判する声が報じられている通り、「学びの継続」のために決して十分なものではありません。さらに外国人留学生には成績要件を付けることや、大学ごとに枠を設けることで困窮している学生に行き渡らない可能性もあります。
 2018年度、大学の授業料は国立で年間53万5800円、私立で平均90万4146円です。1975年度には国立3万6000円、私立18万2677円だったことを考えると、驚くほどの高騰です。週に何回もアルバイトをしないと大学に通えない学生が多いのも当然です。大学生の5人に1人が退学を検討せざるを得ない条件は、コロナウイルス感染症拡大のずっと前から作られていたのです。「10万もらったところで何になるのか」という思いは当然です。
 全学連は、5月14日から隔週木曜日の夕方に霞が関・文部科学省前での抗議行動を行っています。「すべての大学で学費を無償化すること」「現行の大学改革の中止」など5項目を要求する行動です。
 去る5月28日にも夕立に降られる中で抗議行動は行われ、新しく参加する学生や現場に来られなくてもメッセージを寄せてくれる学生もいました。発信すればするほどともに行動したいという学生は出てきますし、以前ともに行動していた学生の意識もガラッと変わった、5月はそう感じる1カ月でした。「自粛要請」が解かれた6月、文科省前に一回り大きな学生の隊列を登場させ、私たちの要求を実現させたいと思います。次回は6月11日午後5時半です。
 大学に通えなくなったら「運が悪かった」とか、失業したら「自己責任」とか、100年耕してきた農地を守るために家に帰ってきたら「騒音を受忍しろ」とか、そんな言説がこれまで当然のことのように跋扈(ばっこ)してきました。私たちはこの数カ月で、国家は私たちの命を守らないこと、そして立ち上がれば世の中を動かすことができることを急速に実感したと思います。
 このおかしな言説を変え、社会を変えるときは今です!
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