「農地奪うな、強制執行反対」の声を要望書に集めよう 9・2 請求異議控訴審で東京高裁包囲を

週刊『三里塚』02頁(1044号01面01)(2020/07/27)


「農地奪うな、強制執行反対」の声を要望書に集めよう
 9・2 請求異議控訴審で東京高裁包囲を

(写真 反対同盟を先頭に南台農地から意気高くデモ出発【7月12日】)

(写真 騒音が消えた南台の畑でデモ出発前の打ち合わせ)

(写真 太郎良陽一決戦本部長の音頭で団結ガンバロー)

天神峰樫の木まつり大盛況 「反対同盟は反転攻勢に打って出る」

 より速くより遠くに、大量の人や物を移動させることで金もうけをしてきた航空産業を典型とする資本主義の発展は、感染症パンデミック(世界的大流行)を引き起こした最大の要因だ。気候変動も貧困・格差の問題も同根だ。資本主義は社会の維持にとって桎梏となり、完全に没落の時を迎えている。成田空港を今こそ廃港へ! 自らの歴史的使命を自覚する三里塚芝山連合空港反対同盟は7月12日に開催した天神峰樫の木まつりで「今こそ反転攻勢の時だ」と全世界に檄を発した。8・6ヒロシマ―8・9ナガサキ反戦反核闘争を闘い、今秋決戦に攻め上ろう。

騒音が消えた!

 7月12日、反対同盟主催の第3回天神峰樫(かし)の木まつりは、地元住民をはじめ首都圏の労働者140人が参加し、盛況に打ちぬかれた。
 晴天のもと、誘導路建設を阻む市東孝雄さんの南台の畑に多くの人が予定時刻の前から参集する。いつもならジェット機の離着陸と走行で激しい騒音に見舞われる場所だが、B滑走路閉鎖で空港の音は一切消えた。参加者は改めて騒音被害の激しさを確認しあった。
 午後0時30分デモ出発前の打ち合わせでは、東峰・萩原富夫さんのあいさつ、野戦病院の大熊寿年さんの裁判報告が行われた。決戦本部長の太郎良陽一さんの団結ガンバローでデモに出発、市東さんの家と天神峰の畑の前を通り、東峰開拓組合道路まで行進した。
 1時30分、交流集会が市東さん宅離れの中庭を会場にして、婦人行動隊の宮本麻子さんの司会で始まった。萩原さんが「コロナ禍の中、大勢の人が集まっていただきました」とお礼を述べ、B滑走路閉鎖情勢を解説し「倒産必至のNAAが、市東さんの農地を奪うことが許せるか。反転攻勢のチャンスだ」と檄を飛ばした(発言要旨別掲)。
 続いて動労千葉の川崎昌浩書記長が、三里塚との共闘を訴え、7・26国鉄闘争全国集会への結集を呼びかけた。「市東さんの農地取り上げに反対する会」は、請求異議裁判の控訴審に伴う東京行動の強化を表明し、また騒音下空港周辺住民は「私たちの生活を守れるのは私たち自身だ。協力をお願いします」と発言した。
 ミニライブで趙博さんが、「ニムのための行進曲」「山谷ブルース」などを熱唱。司会の宮本さんが「世の中をつくっているのは労働者農民。権力と闘って社会を変えなければ」と言葉を添えた。萩原さんの親戚宅でつくられたスイカが切り分けられ、参加者に配られた。格別の甘さだ。

抽選会で賑わう

 交流会の後半は、参加団体からの連帯のあいさつが行われた。全学連の斎藤郁真前委員長は、「資本主義はやりたい放題だったのが、破産した。三里塚闘争が不屈に続いてきたということが、この情勢を引き寄せた。チャンスが来ている。全学連は21世紀の学生運動を作り上げる」と8月末の全学連大会の成功への決意を述べた。
 星野全国再審連絡会議共同代表の狩野満男さんは、星野文昭さんを獄死させた権力への怒りを語り、「国家賠償請求訴訟に必ず勝利します。権力犯罪を暴き切る」と述べ、星野闘争の土台が三里塚・沖縄であり、これを闘うのが星野精神の継承だと力を込めた。
 動労水戸の木村郁夫委員長は「三里塚闘争を青年労働者に持ち込み、JR大合理化との闘いに入る」と決意を述べた。婦人民主クラブ全国協議会の鶴田ひさ子事務局長は、「コロナ解雇で女性の非正規が、打撃を受けている。団結を呼びかけ、改憲阻止・全国運動の先頭に立つ」と発言した。「大坂正明さん救援会(準)」は、三里塚闘争を闘ってきた大坂さんを紹介し、「接見禁止と鼻の治療放置を打ち破ろう」と訴え、鼻の手術要望書に協力を求めた。
 くじ引き抽選会に入った。樫の木まつり恒例のイベントだ。景品は、産直の人参・玉ねぎ・ジャガイモの野菜セット、そして反対同盟結成50年記念などのバッジとTシャツ、ハチマキ。抽選箱に入った番号札を引くのは市東さん、読み上げるのが萩原さんで一人一人に軽妙なコメントをつけながら景品を渡していった。拍手が多いのは、同盟Tシャツで、当たった人も得意げであった。

市東さんの決意

 締めくくりのあいさつとして市東さんが、「B滑走路閉鎖で今飛行機は飛んでいませんが、いずれ空港側の攻撃がきます。その時まで力を蓄えるためにも、今回はいい集まりでした。皆さんの明るい顔も見られて本当に開いてよかった。コロナや災害に負けず、皆さんとともに三里塚闘争をますます強固なものにしていきます」と決意を述べた。最後に太郎良さんが、9月27日、成田市赤坂公園で開かれる三里塚全国集会の結集を呼びかけ、団結ガンバローをリードした。
 天神峰樫の木まつりの盛況をバネに、B滑走路閉鎖で危機を深めるNAAをさらに追撃し、市東さんの農地取り上げ反対の要望書を集め、空港廃港へ断固攻勢に打って出よう。東京高裁で開かれる9・2請求異議裁判控訴審、9・27三里塚全国集会に大結集し、強制執行を阻止する労農学の陣形を強化しよう。

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交流集会での発言

成田空港廃港現実のものに
 反対同盟事務局・東峰 萩原富夫さん

 B滑走路が閉鎖になりました。空港周辺の皆さんも、飛行機が飛ばなくなり静かになってよかったと喜んでいます。
 現在、緊急宣言が解除されていますが、外国からの出入国が制限されていますので、飛行機を利用する人はほとんどいません。密になるので満席にもできず採算が取れないですよね。
 すでにいくつかの外国の航空会社の倒産が進んでいます。成田空港廃港が現実のものになろうとしています。NAAは、収入がないので倒産して当たり前。
 破綻会社が市東さんの土地を奪うということは絶対許せないことです。新たな情勢・事態が私たちの武器になります。僕らもこれまでの常識をひっくり返して、新たな気持ちで反転攻勢に打って出ます。このチャンスに、気持ちを新たに皆さんとともに一緒に闘っていきたいと思います。

労働者農民が反撃に立つ時
 動労千葉書記長 川崎昌浩さん

 コロナ情勢は、新自由主義が労働者農民を激しく搾取し、酷使をしてきたことを明らかにしました。エッセンシャルワーカーと呼ばれる労働者たちに脚光が集まっています。農業も生きていくための必要な生業です。三里塚農民を50年も弾圧してきた日本帝国主義に対して、われわれの力を断固としてたたきつけなければならない。
 JRでは、感染防止対策と言ってグループ会社の労働者に消毒を強制しています。CTSなどに丸投げです。吊手を一晩に2600個、手をあげたまま消毒させる。人も金もつけずこんなことをやらせる。これが今の資本主義の姿です。
 世界ではブラックライブズマター運動として、差別・貧困・格差に対する反撃がすでに始まっています。われわれも日本の地における第一歩として7・26国鉄集会を勝ち取ります。

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400万円カンパ集めよう
〈郵便振替〉
 00130―0―562987 三里塚芝山連合空港反対同盟
〈銀行口座〉
 みずほ銀行成田支店 普通預金  2074135 イトウノブハル

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