新やぐら裁判 内田裁判長が結審強行 「忌避却下」の暴挙を徹底弾劾

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週刊『三里塚』02頁(1044号01面02)(2020/07/27)


新やぐら裁判
 内田裁判長が結審強行
 「忌避却下」の暴挙を徹底弾劾

(写真   内田博久裁判長)

(写真   地裁構内から排除された太郎良さん)

(写真 法廷での攻防を報告する葉山弁護士)


 7月16日、千葉地裁民事第2部で新やぐら裁判が開かれた。この裁判は、反対同盟・市東孝雄さんの天神峰農地に建つやぐら、看板など四つの物件について、成田空港会社(NAA)が「収去と土地の明け渡し」を求め提訴したものだ。
 内田博久裁判長は、用地買収の当事者だった空港公団(現NAA)職員など敵性証人については必要ないと却下し、3月18日をもって結審しようとたくらんでいた。
 だが、新型コロナウイルスの感染拡大によって裁判期日は延期され、内田は4月1日付で東京高裁第1民事部に異動した。ところが、東京高裁は内田を千葉地裁の裁判官とする職務代行を発令した。異動した裁判官が結審のためだけに舞い戻ってくるなど、前代未聞だ。絶対に認められない。
 開廷予定時刻30分前の午後1時、弁護団は裁判官忌避を申し立てた。民事第5部に係属し訴訟手続きが停止した。ところが千葉地裁は、係属を民事2部に変え、内田は書記官を通じて「2時半までに出廷しなければ、手続きをすすめる」と最後通牒を発したのだ。
 一方、わずか20席という傍聴券の抽選を終え法廷に入った傍聴者は、すでに裁判官席についていた内田を弾劾した。「過去最大の感染者数だ。なぜ法廷を開くのか!」「忌避中だ。帰れ!」
 被告席に座る萩原富夫さんが、30分経っても何も語らない内田に「この状況はなんだ。説明しろ」と詰め寄ると、「開廷前です。弁護団が来ないから開けない」とつぶやき再び口を閉ざした。

権利濫用許さぬ

 午後2時27分、顧問弁護団が法廷に乗り込んだ。葉山岳夫事務局長が弾劾の口火を切った。
 内田は、忌避の申し立てについて、「訴訟遅延の目的」と決めつけ「簡易却下」。すかさず、弁護団から「簡易却下なんて言葉は法律にはない」と追及の声が飛ぶ。「これまで一度も忌避したことがないのに濫用で却下などと言えるのか!」「根拠を示せ!」
 正論を叩きつけられ、内田はぐうの音も出ない。弁護団は忌避の却下について即時抗告した。
 コロナ感染症拡大情勢下で開廷したことについて内田は、「ソーシャルディスタンスをとって社会活動を進めるという社会状況から判断した」と述べたが、デタラメだ。「最高裁が県をまたぐ裁判はやめるように指示をだしたが、いつ取り消されたのか」との問いに、内田は「それは最高裁に聞いてください」と無責任極まる返答。
 忌避の手続きについても「第5部から第2部に配転したというが、誰の判断なのか。犯罪行為に等しい」と弁護団から弾劾が叩きつけられた。
 3時過ぎ、デタラメな内田の態度を前に、弁護団の要求で一時休廷。
 3時15分。再び法廷に戻った弁護団は、準備書面を陳述した。さらに主張の追加と証人申請を行うので次の期日を指定するよう迫った上で、準備書面18、19を陳述した。
 準備書面19は6部構成。①そもそもヤグラ、看板の建つ土地の所有権をNAAは取得していない。②農地法20条にもとづく解約許可処分は無効だ。③反対同盟は市東さんから土地を借りて看板、やぐらを建てる権利を持っている。④空港会社の看板撤去の要求は権利濫用だ。⑤B滑走路閉鎖にみられる新たな抗弁事由にかかわる新主張について。⑥強制執行は許されない。
 410ページもの弁護団の準備書面に対してNAAの準備書面14はわずか9行! 公正公平な審理を行うという立場に立てばどちらに理があるのかは一目瞭然だ。
 ところが、内田は時計だけを気にしている。

3人に退廷命令

 弁護団全員が、B滑走路の閉鎖という重大な事実について、専門家の意見書準備の時間と新たな主張・立証の機会が保障されるべきと強調した。「次回を決めろ」と傍聴席からも声が上がる。
 ところが、内田は「双方の意見はうかがいました。これ以上意見を聞いても......」と弁論を打ち切ろうとしてきた。すかさず弁護団は、裁判官忌避を再度申し立てた。傍聴席も立ち上がって裁判長を弾劾。あせった法廷警備員が内田に退廷命令をうながす。内田はうろたえつつも退廷を命じ、太郎良陽一決戦本部長ら3人を裁判所の外に強制的に排除した。その間、内田は何かつぶやくが聞こえない。
 法廷指揮に異議があるとの弁護団の追及に内田は、「弁論は終結と言ったので、調書にはとらない」と言い放った。さらなる怒号の嵐が続く。午後4時50分頃、内田は「弁論終結です。退出してください」と言い残し逃げ去った。
 翌日、内田は判決日を8月24日午後2時と通告してきた。千葉地裁を怒りで包囲し、反動判決を阻止しよう。

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