10・22請求異議控訴審・東京高裁包囲デモへ

週刊『三里塚』02頁(1049号01面01)(2020/10/12)


10・22請求異議控訴審・東京高裁包囲デモへ

(写真 「コロナ危機を空港廃港へ」決意新たに団結ガンバロー三唱【9月27日 成田市】)

(写真 全国農民会議の小川浩共同代表が農業破壊への怒りと農地守る決意語る)

(写真 反対同盟を先頭に成田ニュータウンをデモ行進)

9・27全国集会
今こそ成田を廃港に
440人が市東さんの農地守る誓い

 菅首相は日本学術会議の新会員候補であった政府方針に批判的な学者6人の任命を拒否した。学問、言論・表現の領域にまで首相の権限を拡大する前例のない踏み込みであり、断じて許すことはできない。敵基地攻撃能力の保持、改憲・戦争に向けた策動を粉砕しよう。三里塚芝山連合空港反対同盟は9月27日、成田市赤坂公園で全国総決起集会を開催し、440人が結集した。「市東さんの農地を守ろう! 空港機能強化粉砕! 改憲阻止・菅政権打倒!」を掲げ、成田ニュータウンをデモ行進。沿道の若者からは声援が飛び、空港存亡の危機と鮮やかな対比をなす勝利感あふれる行動となった。10月22日の請求異議控訴審(東京高裁)に総決起しよう。
 本集会を前に、全国労組交流センターと全学連の主催で前段集会がかちとられ、会場の熱気を高めた。
 正午、前半の司会を務める婦人行動隊の宮本麻子さんが開会を宣言。
 事務局の伊藤信晴さんが主催者あいさつに立ち、「市東さんの農地を守ることは、全人民の権利を守り、戦争・改憲を阻止する道」と訴えた。(発言要旨別掲)
 続いて、東峰の萩原富夫さんが基調報告を行った。

観光立国は破産

 冒頭、新型コロナの感染爆発によって、東京五輪を背景にした安倍政権の観光立国政策が大破産し、成田が存亡の危機にあることを確認した。
 成田国際線旅客数は9割以上の減少、空港内460店舗のうち264店の休業という惨状だ。成田空港会社(NAA)は、来年4月まで航空会社100社に着陸料など420億円の支払いを猶予、店にはテナント料95億円の支払いを猶予し、計515億円の収入減。普通の企業なら倒産必至の深刻な事態だ。さらに全世界の大航空会社が超巨額の赤字を出し、従業員の大量削減に乗り出している実情を語った。そしてこの期に及んでNAA田村社長が「機能強化を推進する」と言い張ることを、「成田の恥」と切り捨てた。
 最後に、市東さんの農地を守り抜くために10・22請求異議裁判への結集を訴え、空港周辺住民の怒りを共にし廃港へ向け闘おうと呼びかけ、参加者が拍手で応えた。
 連帯のあいさつとして、最初に動労千葉の関道利委員長が立った。反対同盟との固いきずなを確認した上、JRによる大合理化と労組解体攻撃が襲いかかる重大事態を明らかにし、11・1全国労働者総決起集会への大結集を訴えた。
 関西実行委の発言に続き、天神峰の市東孝雄さんが登壇した。NAAによる土地強奪の卑劣な攻撃を強く弾劾し、天神峰の地で誠実に無農薬有機農業に取り組み続け、農地を守り、労農連帯、沖縄・福島・三里塚の連帯を固めて闘う鮮明な決意を表した。
 反対同盟顧問弁護団から4人が登壇した。事務局長の葉山岳夫弁護士は成田空港が進む破滅と倒産への道を確認し、観光バブルの再来はあり得ないと断言。最終弁論が行われる10・22請求異議控訴審を闘いの正念場と位置づけ、東京高裁へ駆けつけるよう訴えた。
 「市東さんの農地取り上げに反対する会」と各地の「農地を守る会」が壇上に並び決意を表した。群馬・守る会の大塚正之さんは、9・13高崎集会の成功を報告した。
 全国農民会議共同代表の小川浩さんは、安倍農政で日本の農業が「ずたずたにされた」ことに憤りを表し、社会を変える以外に農民の生きる道がないことを強調し、市東さんの農地を守る決意を表した。
 宮本さんがカンパアピールを行い、司会を決戦本部長の太郎良陽一さんに交代。太郎良さんは、「強制執行来るなら来い」という決戦陣形をつくろうと呼びかけた。
 「沖縄・福島からの訴え」として、市東さんの農地を守る沖縄の会と3・11反原発福島行動呼びかけ人の椎名千恵子さんが発言した。椎名さんは、原発事故から10年の福島で悪質な事故隠しの攻撃が激化していることを弾劾し、三里塚との連帯を誓った。
 さらに全国水平同盟の久原正子委員長、婦人民主クラブ全国協の三浦正子代表、星野全国再審連絡会議の星野暁子さん、動労水戸の木村郁夫委員長などの連帯発言が続いた。星野暁子さんは、天神峰畑の一角に分骨された文昭さんとともに農地を守り、国賠訴訟と大坂正明さんの裁判に勝利する決意を述べた。
 中核派を代表して、全学連前委員長の斎藤郁真同志が発言した。三里塚闘争に注がれた無数の人々の力で安倍政権を崩壊に追い込んだ勝利を確認し、コロナ危機のもとで立ち上がる学生たちと共に資本主義を倒す熱い意気込みを表した。

空港の町にデモ

 最後に太郎良さんが、集会宣言を読み上げ、団結ガンバローの音頭をとり、反対同盟を先頭にデモに出発した。宣伝カーからは宮本さんの「第3滑走路阻止」の訴えが空港のために造成された町=成田ニュータウン一帯に響く。
 JR成田駅近くまで2㌔超のデモ行進をやり抜き、全参加者は三里塚の勝利とそれぞれの持ち場での奮闘・前進を誓い合った。

------------------------------------------------------------

集会宣言
三里塚芝山連合空港反対同盟

 2020年は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の年となった。経済を優先し、人の命をかえりみない新自由主義は、ウイルスを瞬く間に世界に拡散させ、世界を大恐慌にたたきこんだ。
 資本主義にとどめを刺すのは今だ。拡がる格差と貧困、過労死。地球温暖化、放射能の垂れ流し、プラスチックごみなど地球環境も危機にある。未来の見えない資本主義を終わらせ、新しい社会を作らなければならない。「新しい生活様式」とは格差も貧困も差別もない社会をつくることである。社会変革へ共に立ち上がろう!
 安倍政権はこのコロナ禍の真っただ中で行き詰まり、人々の怒りに包囲されながら倒れた。そして、安倍の首を、菅にすげ変えたのが菅政権である。
 菅は「自助・共助・公助が基本」だとして自己責任論を主張している。菅こそ命より金儲けを優先するアベ政治の推進者である。戦争と改憲を許さず、菅政権打倒へたたかおう!
 成田空港は大幅な旅客の減少と運休で、経営破綻寸前という状況である。B滑走路の一時的閉鎖にとどまらず、空港全体が閉鎖してもおかしくない。安倍の観光立国政策の結果が、この成田空港の破綻という事態である。
 しかし空港会社は、いまだに第3滑走路をはじめとした機能強化策にしがみつき、住民追い出しと農業破壊・環境破壊で空港の延命をはかろうとしている。これにたいし騒音下住民は「機能強化白紙撤回」を訴え立ち上がっている。たたかう住民と連帯して機能強化粉砕へたたかおう!
 市東さんの請求異議裁判、10・22最終弁論に大結集しよう! 倒産の危機にある空港会社に、市東さんの農地を奪い生活を破壊する権利などない。絶対に強制執行を許してはならない。要望書を集めきり、東京高裁へ総決起しよう!
 コロナ危機を空港廃港へ! 三里塚から世の中を変えよう! 共にたたかおう!

このエントリーをはてなブックマークに追加