団結街道

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週刊『三里塚』02頁(1055号01面03)(2021/01/11)


団結街道


 一つも忘年会がない年末、一人の家族とも会わない年始を初めて過ごした▼「GoToキャンペーン」など政府の犯罪的でデタラメな政策によって新規感染者数は連日、曜日毎の過去最高を更新し続けている。厚生労働省の発表(1月4日)で、日本の感染者数は24万3847人。中国は8万7150人。東アジアの中では断トツの1位だ。重症化率・死亡率も高い▼危機的状況にもかかわらず、菅首相は「春になると必ず雪が解けて土が見える。…我慢していれば必ず変わってくる」(1月3日付産経新聞でのインタビュー)と緊張感のかけらもない悠長な構えだ。さして必要と思われないステーキ会食すら自分は我慢せずにどの口が言うのかと思う。緊急事態宣言を出そうが、この待ちのスタンスは同じことだ▼紅白歌合戦では、「明けない夜はない」に類する言葉を何度も耳にした。感染拡大があまりにも自然現象と同列に語られるのには辟易(へきえき)する。新規感染をピタリとゼロにできなくても、東アジア諸国並みには減らせるはずだ▼だが、「ワクチンで防げる感染症」(VPD)の予防ですら日本は世界最低レベルだ。2008年の洞爺湖サミットで「日本からハシカを持ち帰らないように」と異例の注意がなされた。2013年には、風疹(ふうしん)が大流行。米国疾病予防管理センター(CDC)は渡航注意情報を出し、翌年、世界保健機構(WHO)からは「風疹流行ワースト3」と名指しされた▼1965年、米軍由来と思われる風疹の流行で沖縄県で408人の障がい児が生まれた。「北城ろう学校」の野球部が高校野球県大会出場を果たすまでを追ったノンフィクション『青春の記録―遥かなる甲子園・聴こえぬ球音に賭けた16人』(戸部良也著)は決して過去のものではない。「医療は社会保障だ」とストライキで闘う医療労働者、農地死守を闘う農民と共に、命を守り育む誇り高き労農連帯の大飛躍を勝ち取ろう。
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