声 明 市東孝雄さんの農地強制執行判決を許さず、三里塚反対同盟と共に闘います

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週刊『三里塚』02頁(1055号01面02)(2021/01/11)


声 明
 市東孝雄さんの農地強制執行判決を許さず、三里塚反対同盟と共に闘います


 12月17日、東京高裁は市東孝雄さんが耕作する畑7300㎡に対する明け渡し、強制執行を認可する不当きわまる判決を下した。弁護団はこの判決を怒りをもって弾劾し、直ちに最高裁に上告した。三里塚芝山連合空港反対同盟は強制執行を許さない決意をうち固め、全国の仲間たちと決戦体制を築いている。
 東京高裁判決は、成田空港会社が耕作者である市東さんから耕作地を違法・不当に奪うことを認めただけでなく、耕作地の明け渡しのために強制執行を認めた反動判決である。市東さんから農家として生きる権利を奪うものであり、命を奪うに等しい判決に他ならない。全国農民会議は、市東さんが耕作し続けることは耕作権に基づく正当な権利であり、農地強制執行には何ひとつ根拠がないと考える。農地強制執行に反対し、市東孝雄さん、反対同盟とともに闘うことを宣言する。
 裁判で、成田空港会社は農地明け渡し強制執行の必要性、緊急性を一切明らかにできなかった。新型コロナ禍で成田空港は打撃を受け、ますます強制執行の必要性、緊急性は消滅した。あり得ない空港需要増に基づく空港拡張・時間延長を直ちに中止すべきである。
 しかも、1994年10月の成田空港円卓会議の隅谷調査団最終所見で、滑走路の用地取得で強制的手段を用いてはならないと提案され、空港公団総裁がこれを受け入れる公約をした。今回の判決は、この公約にも反するもので許されない。
 8年間続いた安倍農政は、戦後確立してきた農民の権利をことごとく破壊してきた。企業の農地所有を認める、農業法人の要件緩和、農業委員会の改変・農地規制の緩和、耕作権の弱体化など。こうした流れと一体で、市東さんから農地を取り上げ、成田空港完成を狙ってきた。そこに貫かれる考え方は、農民の生活・命より企業の利益である。全国農民会議は、こうした新自由主義農政に全力で反対してきた。
 全国農民会議は、三里塚反対同盟、弁護団とともに最高裁で違法・不当な判決を覆すために全力を尽くす。さらに農地強制執行を許さない全国的な運動をつくることを決意する。
 2020年12月28日
 全国農民会議

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