婦人行動隊 新年のアピール 天神峰に駆けつけてください

週刊『三里塚』02頁(1055号02面01)(2021/01/11)


婦人行動隊 新年のアピール
 天神峰に駆けつけてください

(写真 11・1集会後にデモ)

戦争への道を許さず
 宮本麻子さん

 控訴棄却の判決は本当に許せません。政府・資本・裁判所が一体で下した攻撃です。
 NAAはこれまで、署名や印鑑を偽造したり、市東さんに内緒で地主に地代をだまし取らせたりといったウソばかりやってきました。それで、裁判所にその不正義を取りつくろうことの一切を任せて、こちら側の主張に何も反論せず、判決には出席すらしませんでした。
 他方で、市東さんは裁判の中で、「ウソはつかない」と自分の信念と生き方について述べ、天神峰で農業を続けていくと堂々と話しました。
 内容的には圧倒的に市東さんと反対同盟顧問弁護団の主張の方が正しいのに、菅野裁判長は無視して強制執行を認めました。最初から結論ありきなんです。しかも、「執行を平穏、円滑にやれ」なんて! 考えられないですよね。
 また根拠もなく航空需要が回復するように言いますが、月日が経つにつれてますます元に戻ることはあり得ないことが明らかになっています。機能強化、第3滑走路もまったく無用なものです。
 インバウンド、航空需要増大、経済成長などが右肩上がりで続くはずもなかったのです。歴史上これまでも恐慌、戦争などが起きてきましたが、形や現象は違っても今回の新型コロナのパンデミックもやはり資本主義自身が呼び寄せた大災害だと感じます。
 仕事がなくなり生活が苦しい人たちがすごく増えているのに、菅政権は一切顧みず、辺野古の基地建設、原発再稼働、「敵基地攻撃」を想定したイージス配備などをどんどん進めています。今すぐやめさせなくてはなりません。
 全世界で人々が立ち上がりつつあります。アメリカのBLM運動、香港の若者たちなど、許せないことに声を上げて行動に移しています。日本でも医療労働者を先頭に、社会を底辺から支える労働者・農民が立ち上がっています。
 三里塚反対同盟は55年、非妥協の闘いを続けてきました。戦争への道を許さず、市東さんの農地絶対に守りぬくために、21年も共に闘いましょう。

55年の不屈の闘争史
 木内敦子さん

 市東さんの裁判で下された判決は、本当に許せないものです。「あらゆる意味で強制的手段を用いない」と言ったことは口約束にすぎないと言うのですか。絶対に認められません。
 北原鉱治事務局長がよく言っていた「三里塚では裁判の内容で勝っていても判決は反動的」が、今回も繰り返されました。しかしそれでもくじけず、負けずに闘うことに、三里塚の真骨頂が凝縮されています。
 三里塚闘争は55年。私自身も一年一年を積み重ねて、これだけの長い闘いになりました。渦中にいる時は無我夢中ですが、大きな歴史の中で見ると、日本階級闘争の歴史の中でこれだけ続いたことが一つの「革命」に値するような意味があると思います。日本経済も高度成長、バブル、停滞と激しく変化し、権力者側も反動化・強権化する中で、反対同盟は揺らぐことなく「空港絶対反対、農地死守」の原則を守って闘ってきました。そして全国のさまざまな住民運動、反原発運動、労働運動などと結びついてきたことが「長さ」の秘訣でしょうね。
 判決では「強制執行については可能な限り平穏・円滑に」という付言が付きましたが、農地取り上げ問題が社会的焦点になってほしくないというあせりが見て取れます。今多くの怒りが世の中にあふれており、それに火が付くことをを恐れているのですね。新型コロナ感染拡大の中で、GoToとか菅政権のやることを見て、「この政府は本当にだめだ」とみんなが痛感しています。
 大空港を造り観光客を大量に呼び寄せてもうけることと、生きる基本である農業を守ることのどちらが大事なのか。この問いかけは人間としての生き方の問題です。
 グローバリズム、航空バブル、右肩上がりの観光需要などが、今後も続くはずはありません。判決では「回復するかも」みたいなことが書かれていましたが、成田空港が大繁盛することは今後絶対にありません。私たちは新しい生き方を模索するしかないのです。
 市東さんの農地を守るためにはやはり、三里塚現地に集まることが重要です。21年、現地に何度も駆けつけてください。
 「前進」「週刊三里塚」には、社会的に弱い立場に置かれた人たちに今後も寄り添いつつ、社会変革を実現する道筋を明るく照らし、若者たちに希望を示してほしいと願っています。

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