全学連三里塚現地行動隊日誌 市東農地決戦の先頭に立つ 畑を耕し空港完成を阻む

投稿日:

週刊『三里塚』02頁(1055号02面02)(2021/01/11)


全学連三里塚現地行動隊日誌
 市東農地決戦の先頭に立つ
 畑を耕し空港完成を阻む

(写真 天神峰のやぐらから空港内を見る【12月24日】)

(写真 芋穴から取り出した里芋の選別作業【23日】)

土の豊かさを実感
 首都圏学生 戸川健二

 年末の2日間、初めて援農に参加させていただきました。2年ぶりに訪れた三里塚の景色は前回とだいぶ違って見えました。前回の訪問が夏真っ盛りだったこと、加えてコロナ情勢で飛行機の減便もありますが、何より大きいのは現地調査・援農を通して「景色の解像度」が上がったことです。
 1日目の午前中に現調に入りました。現闘の同志の案内で東峰神社や岩山記念館、機能強化計画で多くの集落が移転対象となった横芝光町などを見学しました。私はとある航空自衛隊基地の付近に住んでいます。滑走路のすぐそばに民家がある点では共通していますが、成田空港は全く異質に見えました。民家と農地に複雑に食い込んで建設されたツギハギだらけの空港です。強引に空港建設を進めた国家・資本の凶暴性に怒りが湧きました。同時に、断固として非和解で闘う反対同盟の強さも感じました。
 午後からは援農です。1日目は萩原さんの畑で玉ねぎの苗を収穫しました。農作業は全くの未経験で、全学連現地行動隊の二川君の指導で作業に入ります。まず最初に感じたのは土の柔らかさ。意外にもスルスルと苗が抜けました。2日目は市東さんの畑で三浦大根の収穫をお手伝いしました。こちらは当然ながら玉ねぎの苗ほど簡単には抜けません。それでも土は柔らかく、腰を落として力を入れると太く長い三浦大根も姿を見せてくれました。農民が長年にわたって耕してきたこんなにも豊かな土地を奪うことは絶対に許せません。
 援農に伺ったのは、市東さんの農地取り上げを認める東京高裁の反動判決が出た直後でした。どんな判決が出ようとも日々の営農は止まりません。一方、コロナ情勢下で空港機能は停滞しています。本当に社会に必要なのはどちらなのか、誰の目にも明らかではないでしょうか。「耕す者に権利あり」です。全国学生は三里塚現地で共に闘おう! 労農学連帯で絶対に農地を守り抜き、空港を廃港に追い込みましょう!

働く楽しさ味わう
 首都圏学生 新沼潤

 12月24日から2日間、援農・現地調査に初めて参加しました。
 初日の現地調査で驚いたのは市東さん宅を空港へ囲うように造られた誘導路に200億円以上もの大金がかけられており、それは茨城空港ひとつ造れるほどの金額だということです。それほどの大資本に50年以上つぶされることなく粘り強く闘い続けている三里塚の凄さに感動しました。
 援農では1日目の午後は萩原さんの畑でタマネギ苗の収穫と雑草取りを、2日目は市東さんと正月野菜の出荷の時期だということで大根、人参、さつま芋、小松菜など様々な作物の収穫や選定をさせていただきました。農業はやらなくてはいけないことが沢山あるのが大変でもあり面白さでもあると思います。ひとつひとつの作業が楽しかったのは疎外されていない労働だからでしょう。以前経験した派遣アルバイトでは効率のために倉庫内で1日8時間以上同じ作業を延々とさせられていたのが苦痛だったことを人参の葉と根を包丁でひたすら落としながら思い出しました。昼食には採れたての野菜を使った美味しいお料理を頂き、生産する喜びと体を動かして働く楽しさを感じるとともに、労働者を機械の歯車のように扱う普段やっている賃労働の非人間性を実感しました。
 そうして楽しく農作業をしている間も畑の真横で飛行機が轟音を立てながら発着するたびに自分が空港反対の闘いに連帯するためにここに来ているのだということを否応なしに思い出させられました。成田の農民の土地、生活、命、歴史、消費者とのつながり、そういった全てを自分たちの利益のために奪おうとするNAAやそれと一体となって暴力を発動する国家権力を絶対に許せません。今回知った資本・権力の横暴を大学の友人たちにも積極的に話し援農に誘いたいと思います。
 12月21日に千葉地裁で行われた耕作権裁判の傍聴に参加したこともあり、事前に三里塚闘争のことは少し知っていましたが、やはり今回実際に現地へ赴いて萩原さんや市東さん、空港反対同盟の方々と過ごし、三里塚の闘いを肌で感じることができたのは大きな経験となりました。今回は2日間だけでしたので次回はもっと長く伺おうと思います。

生活破壊する騒音
 京都大学 山村大地

 昨年末に、市東さんと萩原さんの畑で1週間ほど、初めての援農をさせていただきました。
 ある日の午前、誘導路に囲まれた市東さんのお宅で、ほうれん草と小松菜の選別作業。傷んでいたり、虫が食っていたりする葉を落としていきます。お客さんにお金を出して買ってもらっている「商品」です。質の悪いものを出すわけにはいきません。資本主義の下で一農家として生きていくための闘いがそこにはありました。そんな大変な仕事に集中していると、突如として市東さんの敷地は轟音に包まれ、はっとさせられます。第二滑走路から離陸しようとする飛行機のエンジン音です。
 ある日の午後、滑走路の延長線上にある萩原さんの畑で、玉ねぎの苗の植え付け作業。長時間、腰を低くした姿勢でいると、体の節々が痛くなってきます。それを平気で、毎日のようにこなす現闘の皆さんのたくましさを感じました。しかしやはりここでも、着陸せんとする大型ジェットの爆音が、頭上40㍍から平穏な大地を切り裂くように鳴り響きます。
 作業に没頭しているとしばしば忘れてしまいそうになるのですが、ここは一農家としての闘いの場であると同時に、55年にわたる権力との闘いの最前線でもあるのです。反対同盟の皆さんが2つの闘いを同時に強いられている大変さと、そのそれぞれで不屈の闘いを続け、おいしい野菜を作りながら農地収奪と空港の完成を阻んできた誇らしさを感じました。
 コロナ以前はひっきりなしに飛行機が行き来して、この騒音が休むことなく続いていたと思うと驚きです。コロナによる大減便は、のどかな農村だった本来の東峰・天神峰の姿を呼び戻しつつありますが、それでも権力・空港会社は、空港建設続行のために赤字になるのは承知の上で意地でも飛行機を飛ばしています。空港建設前の本来の静けさを垣間見たことで、空港がどれだけ地域の環境や住民の生活を破壊してきたのかを肌で感じることができました。
 しかし、追い込まれているのは権力・空港会社の方だということもよくわかりました。反対同盟の皆さんが世代を越えて闘いの精神を引き継ぎ、実力で農業を続けてきたからこそ、誘導路を捻じ曲げ、滑走路の計画を破産させ、空港の完成が阻まれてきました。未完の成田空港は本当に矛盾だらけです。危険と隣り合わせの中で強引に飛行機を飛ばしているのも、私には権力の負け惜しみに感じました。数は少なくても、一切の妥協をせずに不屈に戦い抜く人々が現れれば、権力に大きな打撃を与えられることを痛感しました。12月17日に出された不当判決も、50年以上たっても反対同盟が根強く闘いを続けていることに対する権力の焦りだと思います。
 私は今回の援農で得た教訓を京大に持ち帰り、更なる京大闘争の爆発・政治的高揚の糧にします。京大闘争を不屈に闘う中から、矛盾と闘う全国学生の決起のうねりを生み出し、三里塚闘争の隊列に合流します。

このエントリーをはてなブックマークに追加