「最高裁署名」を集めよう 市東さんの農地守れ、強制執行を許さない 第3滑走路建設阻止を 3・28芝山現地闘争へ

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週刊『三里塚』02頁(1057号01面01)(2021/02/08)


「最高裁署名」を集めよう
 市東さんの農地守れ、強制執行を許さない
 第3滑走路建設阻止を
 3・28芝山現地闘争へ

(写真 反対同盟新年デモ&団結旗開きの最後に参加者全員で団結ガンバローを三唱した【1月10日】)


 世界は激動している。米ではトランプ支持勢力による連邦議事会占拠に対し民衆の怒りが沸騰し、BLM運動が前進している。ロシアではナバリヌイ氏逮捕に抗議する大デモ、インドでは企業による農民搾取に反対する大デモが起きている。今こそ民衆の生存を破壊する元凶である資本主義を打倒しよう。三里塚闘争55年、ふたたび農民の農地収奪を許すのか否かの大決戦が迫っている。三里塚芝山連合空港反対同盟は新年旗開きで、市東さんの農地取り上げ強制執行に反対する最高裁あて署名を呼びかけた。全力で署名を集め、強制執行阻止の大運動を巻き起こそう。空港機能強化白紙撤回、第3滑走路建設阻止を訴える3・28芝山現地闘争に集まろう。

機能強化の前提が大破産

 成田空港会社(NAA)は1月29日、昨年1年間の実績を、航空機発着回数は前年の約半分の13万6502回、国際線旅客数は同2割の762万5507人と発表した。いずれも5月開港の1978年を除けば過去最低だ。
 1月20日の日本政府観光局の発表で12月の訪日外国人客数(全国)は5万8700人で前年同月比97・7%減。15カ月連続で前年同月を下回った。結局昨年1年間の訪日外国人客数は目標だった4000万人の10分の1程度の約411万人にとどまった。
 安倍政権は「観光立国」を掲げ、外国人観光客数の目標を2020年には4千万人、2030年には6千万人と設定し、成田と羽田で年間発着枠を各50万回にすると豪語し、首都圏空港機能強化を進める理由としてきた。バブル化していた航空需要は新型コロナウイルス感染拡大を契機に瞬間蒸発した。そして、商業誌ですら「コロナ終息後も需要は完全に元には戻らない」(週刊ダイヤモンド1月23日)と言い切っている。機能強化の前提だった「右肩上がりの航空需要」は完全に夢幻と化した。東京五輪も風前の灯火だ。
 ところが、NAAの田村明比古社長は、年頭のあいさつで「『成田国際空港の更なる機能強化』を最優先課題として取り組む」と述べ、あくまで機能強化にしがみつこうとしている。
 千葉県も機能強化を前提に、成田空港周辺地域を国家戦略特区に指定するよう内閣府に提案した(1月21日)。成田周辺を東アジアの航空貨物拠点とするというのだ。
 その具体的中身は、空港周辺は農地が多いとして、①倉庫等を造るために農地法の適用を除外し農地転用規制を緩和する、②人手不足を補うため「特定技能」に現在はない「倉庫業」を加え、外国人技能実習生の就労を認める、③農地に隣接する場所に研究施設を設置するため土地要件を緩和する、などだ。
 耕す権利を守るためにつくられた農地法の適用を除外=破壊して農地を奪う。国によって国家戦略特区に指定されれば、空港周辺地域の農家はすべて市東さんと同じ状況に置かれることになる。市東さんの農地を守る闘いには、空港周辺農家の未来もかかっている。市東さん農地強奪阻止の大運動を巻き起こそう。3・28芝山現地闘争に立ち上がろう。

命の農地は代替不可能だ

 3代100年耕し続けられてきた市東さんの農地は「命」にも等しいものであり、絶対に代替などできない。
 市東さんはこの農地で農薬も化学肥料も一切使わずに野菜を育てている。育苗以外はハウスを使わずに露地栽培で年間60種類もの野菜を作り消費者に供給し続けている。並大抵の努力ではできないことだ。
 このことを可能にする一切の土台が畑の黒土だ。土は生きている。モグラ、ミミズ、微生物など無数の生き物が共存し、絶妙なバランスのもとで維持され、様々な野菜を育む魔法のような土だ。
 この命の農地はお金をいくら積まれようが絶対に譲れない。野菜を楽しみに待つ消費者のためにも農家としての誇りにかけて「1億8千万円の離作補償よりも一本100円の大根をつくる」という市東さんの生き方は新自由主義・資本主義の価値観に根本的にNOを突きつけるものだ。
 だからこそ国家権力はこの闘いに恐怖し、暴力的につぶしにかかろうとしているのだ。
 1本の滑走路に3本も誘導路を造って空港の中に家と畑を囲い込み、朝から晩まで騒音や排気ガスを浴びせかける。そして、「騒音の発生源に自ら住む市東さんに被害を訴える権利はない」なる主張を国は裁判で展開している。盗人猛々しいとはこのことだ。先に住んでいたのは市東さんであり、後から空港が囲い込んだのだ。
 しかし、市東さんは、「国策の名の下で何をやってもいいという国・企業のやり方は、絶対に認めるわけにはいかない」(1・10旗開き)と闘志を燃やし、米軍新基地建設と闘う沖縄、原発事故の責任を追及し闘う福島との連帯にかけて、何があろうと畑を耕し続けると宣言している。この決意と思いに何としても応えよう。市東さんと共に国策を打ち破ろう。

2・14国鉄集会に結集を

 三里塚闘争は必ず勝利する。その最深の根拠は反対同盟農民と動労千葉との労農連帯にある。その不抜の団結を築いた闘いが70〜80年代の動労千葉のジェット燃料貨車輸送阻止闘争だ。三里塚農民との連帯にかけ、職場における反合理化・運転保安の闘いを解雇覚悟で貫いたのがジェット闘争だった。こういう職場闘争、政治闘争がやれる階級的労働運動を今こそ全国につくりだそう。2・14国鉄集会(国鉄闘争全国運動主催、東京・四谷区民ホール、午後1時30分開始)に集まり、動労千葉と共に闘おう。

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担保保証金カンパ集めよう
〈郵便振替〉
 00130―0―562987 三里塚芝山連合空港反対同盟
〈銀行口座〉
 みずほ銀行成田支店 普通預金 2074135 イトウノブハル

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