「空港つぶれてしまえ」 一斉行動で住民の怒りと合流

週刊『三里塚』02頁(1059号01面02)(2021/03/08)


「空港つぶれてしまえ」
 一斉行動で住民の怒りと合流

(写真 92回目の一斉行動朝の打ち合わせ【2月21日】)

 2月21日、三里塚芝山連合空港反対同盟と支援連絡会議は92回目の空港周辺情宣一斉行動を闘った。
 午前8時半、成田市天神峰の市東孝雄さん宅離れに集まった仲間は、東峰の萩原富夫さんの司会で朝の打ち合わせを行った。
 冒頭、萩原さんが「ニュースをもって住民に3・28芝山現地闘争を呼びかけよう」と訴えた。続いて、事務局の伊藤信晴さんから周辺情勢について説明があり、「空港賛成、反対にかかわらずしっかりと住民の声を聞こう」と意志一致が行われた。
 今回用意された反対同盟ニュース第87号は、3・28芝山現地闘争への参加を呼びかける内容だ。
 3面では、成田空港周辺9市町を国家戦略特区に指定して、農地法の適用を除外し、農地をつぶして物流倉庫にしようとする攻撃を弾劾している。
 戦前に寄生地主制から戦争へと至った歴史を反省して作られた農地法は農民の耕す権利を保護する法律だ。この法律の「適用を除外」するとは歴史の歯車を逆に回すものであり、憲法改悪の先取りでもある。市東さんの農地強奪攻撃とまったく同じ攻撃に空港周辺の全農家がさらされることになる。市東さんの農地強奪を阻む闘いの重要性は高まっているということだ。
 2面では、最高裁署名のリーフを紹介し、あらためて署名への協力を呼びかけている。
 4面の地域住民の声の欄には、芝山町の住民から投稿が寄せられた。「将来にわたって爆音が轟く環境下に人は絶対に集まってきません」と断じ、泣き寝入りせずに、一緒に郷土を守ろうと呼びかけている。
 一同ニュースを手に、芝山町を中心とする担当地域へと飛び出した。
 今回もさまざまな声が寄せられた。「空港一辺倒の町政ではダメだ」「反対同盟にはがんばってもらいたい。市東さんも応援している」との激励。「空港で人生が変わった人をみてきた。移転した人たちで不幸を味わった人も多い」「騒音がうるさい。空港なんかつぶれてしまえと思っている」「年金が減らされ、介護保険料も取られているが、施設に入れるとは限らない。空港にどれだけ税金をつぎ込めば気がすむのか」などの怒りの声が寄せられた。
 移転対象とされている地域の住民からも不安の声が多数上がった。
 「自分で更地にするなど移転費用で赤字になる可能性がある。国策に協力しても借金だけが残りかねない。それで第3滑走路を造ったとしても、需要がなくなり使われないかもしれない。地元住民への利益の還元すら期待できないものへの協力は考え直した方がいいと思っている」
 さらに、空港周辺の駐車場でアルバイトしていた住民は、「コロナで補償が取れるかと思って書類をそろえたがダメだった。正社員には休業補償などが出るけどパートやアルバイトには出ない。俺は年金があるけど若い人は大変だよ」と。
 空港内店舗もシャッター街と化している。空港内のテナントの31店舗がすでに撤退している。
 午後4時半、再び離れに集まった仲間は一日の集約を行った。3月28日は芝山町役場に向けたデモを断固貫徹すること、次回一斉行動日は、日比谷野音で行われる3・21改憲・戦争阻止!大行進の前日の20日に行うことを確認し、一日の行動を終えた。
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