成田閉鎖し五輪中止を 第95回一斉行動で訴え

週刊『三里塚』02頁(1065号01面04)(2021/06/14)


成田閉鎖し五輪中止を
 第95回一斉行動で訴え


 5月23日、反対同盟と支援連の仲間は95回目の空港周辺情宣一斉行動に立ち上がった。
 この日は、感染力の強いコロナ変異株の感染拡大が進む中、あくまで成田空港を開け続け、東京五輪を強行する政府への怒りを周辺住民と共有する行動となった。成田市天神峰の市東孝雄さん宅離れで朝の打ち合わせが行われた。(写真
 東峰の萩原富夫さんは「五輪にはこれまでも反対してきたが、五輪観戦を強行すればコロナ感染拡大が間違いなく起きる。絶対に中止すべきだ」と強調した。そして、7月28日に延期となった新やぐら裁判控訴審当日の午前中に、最高裁への署名提出行動を行うことを確認し、7・11天神峰樫の木まつりの成功に向け、最高裁署名と担保保証金カンパへの協力を訴えようと呼びかけた。
 伊藤信晴さんは、最近まとめられた第5次芝山町総合計画は少子高齢化を逆手にとって機能強化を進め、空港から金を引きだそうとするものだと批判。7期目を狙う相川勝重芝山町長による集会場貸し出し拒否もこういう情勢だからこそ起きていると弾劾した。
 参加者は用意された反対同盟ニュース第90号を手に担当地域へと飛び出した。
 この日は、天気も良くさつまいもの植え付け、ジャガイモの収穫など農家は忙しく働いていた。
 A滑走路直下で連続して飛ぶ貨物便を見ながら、「夜の10時頃でも飛んでいるので町長に申し入れたがさっぱりだ」と怒りの声。「芝山には住むところがなくなる。出ていく人も芝山ではなく成田に行くよ。芝山町内で引っ越しても買い物も医者に行くのも不便だ。百姓仕事も食っていけないから後を継げとは言えない。政治がもっと農業を大事にしなければ大変なことになる」
 同盟ニュースで訴えてる五輪反対の訴えに「その通りだ」「五輪中止は当然」「もっと早く止めるべきだった」「IOCの連中は自分の国ではないから無責任極まりない」「政治が悪い」「満足にワクチンもいきわたらないのにオリンピックなんて医療がめちゃくちゃになる」と共感が寄せられた。
 また、空港周辺地域でもコロナ感染も広がる深刻な状況が始まっていることが明らかになった。成田空港で働く業者にも感染者が出ているのだ。空港内店舗だけでなく、清掃などの関連業者にも大変な影響が出ているという。
 政府のコロナ対応の「失敗」への怒りはますます高まるばかりと実感した。
 機能強化による移転対象地の住民からは、「移転を希望していても条件が悪く移転できない」「NAAは昔のような補償をしない」との声が聞かれた。
 夕方、離れに戻った参加者は一日の集約を行った。最後に市東さんは、「空港会社もコロナでやることないし、この機能強化の計画が頓挫しないように、動けるときに動いておけという感じがする。同盟ニュースは重要。周辺住民も世代交代で、これまでの経過について知らない人も増えている。若い世代にも通用する訴えを」と締めくくった。

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