反対同盟が弾劾声明 「農地死守」の闘いを貫き強制執行を実力阻止する

週刊『三里塚』02頁(1066号01面02)(2021/06/28)


反対同盟が弾劾声明
 「農地死守」の闘いを貫き強制執行を実力阻止する

(写真 市東さん南台畑で【4月1日】)

 反対同盟員・市東孝雄さんの農地取り上げ強制執行を阻む請求異議裁判で、最高裁判所第三小法廷・長嶺安政裁判長は6月8日付で上告を棄却し、上告審として受理しないという決定を下した。この最高裁決定は、成田空港株式会社(NAA)の数々の違法・脱法、憲法違反にフタをし、国策に農民は黙って農地=命を差し出せというものであり、市東さんへの「死刑判決」そのものだ。満身の怒りをもって弾劾する。われわれはこの暴挙に対し、強制収用実力阻止態勢を強化・拡大し、一丸となって決起することを宣言する。
 昨年12月17日の東京高裁での控訴棄却から半年、3月8日の上告理由書、上告受理申立書の提出からわずか3カ月のスピード決定は、追い詰められた国・NAAの焦りと危機の表れに他ならない。
 昨年度の成田空港の利用者数は前年度比でわずか8%。航空需要バブルは弾け飛び、成田は今や廃港寸前だ。これは一過性のものでは断じてない。気候危機やコロナ・パンデミックは、世界中の自然を破壊し、膨大な化石燃料を消費して大量の人と物を高速で移動させる航空産業とその拠点である空港に根本的否定を突き付けている。スウェーデンの環境活動家・グレタさんはじめ多くの若者が環境破壊をもたらす資本主義にNOの声を上げ、「飛び恥」運動など様々な行動に立ち上がっている。全世界で空港の整理縮小が始まる中、成田を軍事以外の目的で拡張する理由など存在しない。
 農地取り上げ強制執行の緊急性、必要性、正義性は微塵もない。最高裁が認めようとも、3代100年耕す肥沃な農地で完全無農薬有機野菜を育て消費者に届ける市東さんの営農を破壊することなど絶対に許さない。
 われわれは、さまざまな困難を打ち破り、55年にわたって「軍事空港絶対反対、農地死守・実力闘争」を掲げ、農地を守り勝利してきた。今こそこの原則を貫き、全国・全世界の労働者、農民、学生、市民と固く連帯して強制収用を実力で阻止し、徹底的に闘い抜くことを宣言する。

2021年6月13日
三里塚芝山連合空港反対同盟
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