市東さんの農地を守れ 軍事空港粉砕 10・3全国集会に集まろう 陸自10万人大演習許すな 反戦の砦=三里塚に決起を

週刊『三里塚』02頁(1072号01面01)(2021/09/27)


市東さんの農地を守れ 軍事空港粉砕
 10・3全国集会に集まろう
 陸自10万人大演習許すな
 反戦の砦=三里塚に決起を


 9月15日から約13万8千人の陸上自衛隊のうち約10万人を動員する大規模軍事演習が約30年ぶりに始まった。海上自衛隊、航空自衛隊、在日米軍も輸送支援で参加するのみならず、「民間の各種輸送力を活用し、全国規模での機動展開や補給品等の輸送を実施する」という。台湾でも大規模演習が始まっている。日米帝国主義による中国侵略戦争のための戦争準備を絶対に許すことはできない。全国各地で戦争反対の闘いを組織すると同時に、有事の際の第一級の兵站(へいたん)拠点として位置づけられている成田空港の廃港へ! 前号に続き三里塚芝山連合空港反対同盟の市東孝雄さん、萩原富夫さんから10・3全国集会への結集アピールをいただいた。

現地での闘いが大事
 敷地内天神峰 市東孝雄さん

 みなさんの日ごろからのご支援・ご協力に心から感謝しています。
 ご存じのように、最高裁判所第三小法廷は6月8日付で、私の農地をめぐる請求異議裁判の上告棄却の決定を下してきました。反対同盟と顧問弁護団の先生方が全力を傾けて積み重ねてきた主張、弁論、証拠などをことごとく無視し踏みにじって、一片の決定で強制執行にお墨付きを与えたのです。
 裁判を通じて明らかになったのは、私の土地をとるためにNAAは法も道理も踏みにじり、違法・脱法を積み重ねてきたということです。耕作者であった父には無断で地主から底地を買収し、そのことを15年も隠し通し、あるいは同意書・境界確認書などの証拠をねつ造し、自分らに不利な文書は隠し通すという卑劣な手口の数々が、法廷で明るみに出ました。
 残念ながら今の日本の司法は最高裁判所をはじめ、こうした悪を容認し、一農民である私には「国策に逆らうな、農業をやめて出ていけ」と迫るまでに落ちぶれたと言うしかない。
 しかし闘いは終わったわけではありません。耕作権裁判、新やぐら裁判などでの決着はまだついていません。そして裁判闘争も大事ですが、現地での闘いをいかに強固につくり、運動を広げていくかという課題こそが非常に大事です。反対同盟は、一斉行動や座り込みなど日々闘っています。
 成田空港は閑古鳥が鳴いたままです。航空需要が永遠に伸び続けるような予測はパンクし、新しい滑走路を造るとか、誘導路を直線化するとかの計画はまったく無意味になっています。こんな空港に、祖父の代から耕してきた農地を明け渡す理由はありません。
 反対同盟は権力の横暴と真正面から闘い55年、今もつぶされることなく正義を貫いています。動労千葉、関西生コン支部などの闘う労働組合、沖縄、福島をはじめ国策と闘う全国の反基地闘争、反原発闘争、市民運動、そして学生運動などみなさんの支援・交流があって、互いに支え励まし合いながらやってきました。こうして培ってきた関係はお金では買えない大切なものです。
 私はこれからもこの天神峰の農地で、みなさんに「おいしい」と言ってもらえる、完全無農薬の野菜を作っていきます。どんな攻撃が襲いかかってきても、決してあきらめることなく闘います。10・3全国集会へのご参加をお待ちしています。

成田を今こそ廃港に
 敷地内東峰 萩原富夫さん

 最高裁での反動的上告棄却が出て3カ月。
 成田空港の危機はますます深まっています。国際線の旅客数はコロナ前の2年前と比べてわずか4%。貨物便ばかりが幅を利かせて、成田は羽田の補助空港、貨物空港になり下がっている現状です。NAAは、今年12月から来年10月までB滑走路に並行する誘導路の大規模な改修工事をやり、誘導路の使用を停止するそうです。すると、「への字誘導路を直線化するから農地を明け渡せ」と彼らはさんざん言ってきたのに、今や市東さんの農地を奪う理由がまったくなくなってしまう。成田はこんな自己矛盾に陥ってしまいました。
 それでもNAAが「機能強化が必要だ、第3滑走路を造るのだ」と言い張るのなら、それは結局軍事利用目的があるとしか考えられない。
 借金を返す展望がない日本政府は過去最大の軍事予算をつけ、軍需産業・戦争でもうけようとしています。今南西諸島へのミサイル配備が進められ、陸上自衛隊は11月までかけて10万人が参加するという大規模演習をスタートさせました。反対同盟としてもこれを許さず、戦争反対の闘いに断固取り組みます。
 今「脱成長」という言葉をよく聞きますが、三里塚は55年にわたり「経済発展のために農業は犠牲になれ」という攻撃と闘い、命を大切にする実践を体を張って示してきました。人間にとって一番大事ことは安全安心な食べ物が十分にあること。しかし今の政府の基本姿勢は、自動車などを輸出するために、規制緩和し、農薬や遺伝子組み換えなど安全を度外視した作物をどんどん外国から輸入しよう、それで国内農業がつぶれても結構、もうかる農業だけ生き残れというのです。命をないがしろにするこんな農政は許せない。
 高度に発展した科学技術によってもたらされた「成長」や「開発」は、原発やリニア新幹線にも明らかなように、命を脅かし自然を破壊し気候変動を起こし、今や地球環境そのものが危機に陥っています。巨大空港に象徴される資本主義に対し三里塚が断固NOを突きつけ、「農業を守れ」と訴えてきたことはすごく重要だと思います。
 五輪反対闘争などで若い学生や労働者が、解放感にあふれて実力で立ち上がっているのは素晴らしいことです。自らの考えを自分の言葉でのびのびと訴えているのを聞き、希望を感じましたし、熱い気持ちが再び沸いてきました。若いみなさんが先頭に立って、新しい革命運動、革命の路線をつくってほしいと願っています。これまでもそうだったように、革共同の存在なくして三里塚闘争はありません。革共同に心から期待します。
 成田を廃港に追い込み市東さんの農地を守りましょう。10・3集会に結集し共に闘いましょう。

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