大地の響き 投稿コーナー

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週刊『三里塚』02頁(1074号02面07)(2021/10/25)


大地の響き 投稿コーナー

都立病院をつぶすな
 東京 佐伯洋造


(写真 都立墨東病院前をデモ【23日】)

 10月23日に行われた「民営化は悪だ!都立病院つぶすな 10・23集会&デモ」に行ってきました。182名の結集で集会も大変盛り上がりました。さらに京葉道路を亀戸駅まで行ったデモでも沿道の人がスマホで写真撮影したり、手を振ってくる人などもいて、「都立病院をつぶすな!」という訴えは多くの人に届いたと確信します。
 すでに都議会では10・13に都立病院独法化の定款が採決されましたが、むしろ闘いの炎が燃え上がるのは、これからです。発言したすべての人からその意気込みがビンビンと伝わってきました。
 この間の闘いの中で「墨東患者・市民の会」が結成されたことが報告されました。「活動家だけの運動」をのりこえて多くの広範な人たちと共闘し結びついていく実に画期的な取り組みだと感激しました。その中の発言者が「基本的人権を行政が守らなくて何なんだ!」と言っていました。そうです。民営化、独法化で金持ちだけが優遇される医療が満展開されていくのは必然です。公的医療を守ることでしか労働者人民が生きていく道はありません。
 本当にこれからの医療現場労働者を先頭とした闘いで、都立病院の独法化は絶対に阻止できると決意も新たにしました。

農地は命だ!と実感
  三多摩 新井佳世子

(写真 10・20霞が関デモ)

 10月20日に東京地裁前で行われた三里塚裁判前のデモに参加しました。そこで改めて感じたことは「農地は命だ!」ということです。第1に、市東さんをはじめとする三里塚の農地で農業を営んでいる人の生活そのものを支える仕事としての命。第2に、三里塚野菜を購入し、食べて健康な身体を作る食物としての命。第3に、55年間も勝利し続けてきた戦後労働運動にとっての命。
 その命を強引に奪うことがどうして許せるでしょうか。ましてや戦争のために。
 10月3日に行われた三里塚全国集会で萩原富夫さんが明らかにしたことは、成田空港の利用者数は今年の1〜6月で一日平均3800人だったことです。空港機能を強化する必要は全くないのに滑走路建設をやめない理由はただ一つ。軍事空港化するためです。
 今から15年前、辺野古新基地建設反対行動に参加していた時のこと。沖縄戦を生き延びたおじいやおばあが「平和を守ろうとしちゃいけないよ。平和を守ろうとしたら軍隊が生まれるから。守るのは自然。自然を守りながら平和はみんなで育んでいくんだよ」と教えてくれました。
 今、日本政府は「平和を守る(しかも日本だけの平和を!!)」という大義を掲げて軍隊を作ろうとしています。私たちがすべきことは三里塚農地=自然を守ることで平和を育んでいくことではないでしょうか。市東さんや萩原さんたちと共に闘っていきたいと思います。

間引きの技を習得中
 柿内武

(写真 大根の間引き菜作業)

 10月も下旬になり、北総台地も冷え込む日が増えてきました。夏の野菜から秋冬の野菜へと順次移行していく季節です。
 現在、「大根の間引き」が盛んに行われています。しかし、この作業が意外と難しいのです。小さな大根のうちに、数株あるものから一つ残し、残りを間引くわけですが、明瞭に株の根本が複数と分かる場合は簡単です。しかし、完全に絡み合ってあたかも「一つの株」に見えるものが少なくないのです。私のように経験未熟なものは、これをスルーしてしまうのです。
 ここを突破するためには、いろんな角度から見て、複数株なのか見極める。それでもわからなかったら、土を少し掘って確かめてみる。こういう技が求められます。いずれにしても数回やっただけでは、ここらあたりの技は身につきません。臥薪嘗胆(がしんしょうたん)、向上心をもって頑張る所存です。
 また、今年は長雨と高温傾向のためか、雑草もかなり多く、また虫に葉物が喰われてしまう程度が高いようです。でもこれは三里塚の有機野菜がいかに虫にとっても、「美味しい」のかの証左です。見た目は良くないですが、ぜひご賞味ください。

石木ダムで不当判決
 福岡県労組交流センター 山本進

(写真 判決前に福岡高裁前でダムNO訴え【10月21日】)

 石木ダム建設工事差し止めを求めた訴訟で、福岡高裁は10月21日、住民側控訴を棄却した。判決で森冨義明裁判長は「事業自体が不合理なことなどを理由に、工事の差し止めを請求できない」と述べ、そもそものダム建設の妥当性にまったく触れなかった。許しがたい反動判決だ。「行政の言いなりで、本当のことを審理していない」と、原告の岩下和雄さんは判決後、怒りの声を挙げた。
 石木ダムは佐世保市の水不足解消と治水を口実に1975年に事業採択。水没予定地の13世帯が用地明け渡しを拒み、今も現地で生活している。法的には強制撤去が可能な状態でも、工事を阻止するための座り込みなど連日の実力行動が闘われている。「100年に一度」とも言われた8月の記録的豪雨で県が想定する以上の水が流れたが「現状でも余裕を持って流せる」ことが判明。治水対策としては石木ダムは全く必要ない。事業認定から50年近く経過し、佐世保も人口減少傾向が続いている。水源としても必要性は皆無だ。
 それでも建設工事を進めるのは利権のためであり、同時に海上自衛隊、米海軍、陸自水陸機動団が配備される軍事拠点としての佐世保に安定した水源を確保するためだ。石木ダムの「必要性」は戦争の中に存在する。川棚町住民の命と生活を守ることと一体で、改憲・戦争阻止の闘いの一環としても、石木ダム建設阻止へ声を上げよう!

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