「騒音に命奪われた」 一斉行動で住民の怒りと合流

週刊『三里塚』02頁(1082号02面03)(2022/02/28)


「騒音に命奪われた」
 一斉行動で住民の怒りと合流


 2月19日、反対同盟と支援連絡会議の仲間は104回目の空港周辺情宣一斉行動に立ち上がった。成田市天神峰の市東孝雄さん宅離れで朝の打ち合わせが行われた(写真)。市東さんが16日の芝山町議会臨時会で反対同盟への会場貸し出し拒否を撤回させた勝利に触れ、3・27芝山現地闘争の成功へさらなる奮闘を呼びかけた。
 この日用意された反対同盟ニュース第99号は、芝山町議会が会場貸し出し拒否を撤回したことを大きく報じ、3・27芝山現地闘争への参加を呼びかける内容だ。2面では、天神峰農地に建つやぐら・看板の撤去をめぐる裁判の控訴審での市東さんの意見陳述の要旨を掲載。3面では、12日にA滑走路脇で発見された巨大落下物事故を弾劾し、安全無視の運航を許さず、機能強化白紙撤回を訴えている。4面では、「落下物事故は人災。生活の場に飛行機を飛ばすな!」という芝山住民の声を紹介。2・27天神峰カフェ、B滑走路北延伸工事着工阻止に向けたフィールドワークへの参加を呼び掛けている。
 一同、同盟ニュースを手に担当地域へと飛び出した。ストーブで焼き芋を温めながら出荷作業をしていた成田の農家は、「空港拡張も運用時間の夜間延長も止めないといけない。社会の現実をよく見ろとNAAに言いたい」と語った。
 また他の住民は、昨年92歳で亡くなったというおじいさんを偲びながら「最期まで騒音に苦しめられ、殺されたようなものだ。(空港推進の)町の職員していたので反対と言いたくても表立って言えなかった。騒音は本当に心臓に良くない」と怒りを込めて語った。
 多古町の移転対象地域の住民からは「町長が変わっても何も変わらない。NAA職員もリモート出勤のためかあまり訪ねてこず、代替地など具体的な移転の話は進んでいない」との声。多古町では、所一重前町長が「自民党・林幹雄が当選しなければ機能強化が進まない」とラインで職員に投票を呼びかけ、公職選挙法違反で逮捕され辞職し、平山富子新町長へと変わったが、平山は空港との共栄共存を掲げ機能強化推進を表明している。
 騒音下に住む芝山町民は、「B滑走路の飛行が少なくなって静かになった。高度も上がっているようだ」と空港没落の実感を語った。また、「NAAが出した工事の概要についての新たなパンフを見たけど、これまで出してきたものとほとんど同じ」と、住民への説明・納得を得ながら工事を進めるとうそぶくNAAのペテンを鋭く見抜いていた。芝山町議会が反対同盟への会場貸し出し拒否を撤回した件について、「当然だ」という住民の声が周辺地域を圧倒していた。「相川前町長は筋を曲げて空港推進に転じた」「相川前町長のせいで町はダメになった」
 また、この日の一斉行動は農作業がお休みの土曜日だったため、行動隊2人は横芝光町へのビラ入れに決起した。
 夕方、再び離れに集まり一日の集約を行った。市東さんが、「時期がくればNAAも動きを強めるだろう。我々は地道に活動しよう」とまとめた。

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