北総の空の下で 戦争と食糧難 生活に迫る危機

投稿日:

週刊『三里塚』02頁(1082号02面07)(2022/02/28)


北総の空の下で
 戦争と食糧難
 生活に迫る危機


 2月後半、日差しに力強さが出てきましたが、まだ冬日が続いています。セット野菜は5〜6品で当面我慢のやりくりが続きます。11日には畑が雪に覆われてほうれん草の収穫ができず、ネギと根菜3品……ケースの底に収まってしまう量なので、萩原富夫さんが12月に収穫して大事に保存していた秋ジャガを加えました。品目は少ないですが、寒中は露地野菜の甘みが際立つ季節です。
 産直で出荷中の東京晩成系と思われる細めのネギが、松戸の特産ネギとしてテレビで紹介されました。緑の部分が主で生でも柔らかいのが特徴とのこと。ハウス栽培のため青々としていましたが、霜で枯れた部分をむしって出荷している私たちのネギの方が甘いだろうと思いました。
 有機農業は、自然と共生する持続可能な循環型農業です。儲け最優先の資本主義経済が近年激しさを増す気候変動に大きく関わっている以上、これと闘わずに有機農業を守ることはできません。さらには究極の環境破壊である戦争を阻止することです。90年代以降、教科書から戦中戦後の食糧難の記述が抹消され、「飽食の時代」を刷り込まれてきた私たちは、戦争危機が食糧危機に直結する自給率37%の現状にあまりにも無頓着です。
 ウクライナ情勢が緊迫度を増し、沖縄・南西諸島への自衛隊配備と中国をにらんだ演習が激化しています。「生活の場で戦争がまざまざと見える」沖縄の現実は明日のわが身です。
北里一枝
このエントリーをはてなブックマークに追加