市東さんの南台農地守りぬこう 農楽まつり盛大に開く 7・24耕作権裁判&デモへ

週刊『三里塚』02頁(1115号01面01)(2023/07/10)


市東さんの南台農地守りぬこう
 農楽まつり盛大に開く
 7・24耕作権裁判&デモへ

(写真 反対同盟を先頭に市東さんが耕す南台農地からデモに出発【7月2日】)

(写真 ゲストとともに萩原富夫さんが自作の歌を熱唱した)

(写真 川口さんの歌に合わせ踊る参加者)

(写真 椎名さんの指導でかんしょ踊り)

(写真 じゃが芋計量ゲームで歓声)

(写真 萩原さんの音頭で団結ガンバロー三唱する反対同盟)


 天神峰現地闘争&農楽まつりが7月2日、三里塚芝山連合空港反対同盟の主催で開かれ、全国から190人が集まった。強制執行から早5カ月。成田空港会社(NAA)と国家権力による反戦の砦=三里塚をつぶそうとする攻撃を敢然と打ち返し、市東孝雄さんはじめ反対同盟の「闘魂はますます盛ん」だ。弾圧を団結に変えて組織拡大へと突き進む全学連はじめ若い世代に大胆に三里塚現地への結集を呼びかけよう。市東さんの農地をめぐる耕作権裁判もいよいよ大詰めを迎えている。7・24耕作権裁判&千葉地裁デモに駆けつけよう。

 前日までの雨はすっかり上がり、市東孝雄さんの南台農地は強い日光に照らされた農作物が青々と力強く生育している。この場所を絶対に守り抜く決意で、太郎良陽一さんがシュプレヒコールをリードし、ここからデモに出発だ。
 婦人行動隊・宮本麻子さんが、「農地死守」の訴えを宣伝カーから一帯に響かせた。デモは炎天下の道路を進む。第3誘導路を横切り市東さん宅前を通過。天神峰農地は今、鉄板フェンスで無慈悲に囲まれ、看板・やぐらは奪われた。怒りと悔しさが全員の胸中を駆けめぐった。旧小見川県道を右折し奥に進むと、まつり会場である萩原さんの清水の畑だ。この場所も誘導路に包囲されながら空港の完成を阻んでいる拠点だ。木立の下で汗をぬぐう参加者にさっそく、反対同盟と支援連が用意した冷えた飲み物、肉じゃが、焼きそばなどが振る舞われた。

廃村化を許さず

 司会の婦人行動隊・木内敦子さんがまつりの開会を宣言し、伊藤信晴さんが主催者あいさつに立った。(発言別掲)
 市東さんの営農再建の闘いの前進を紹介し、空港機能強化による芝山廃村化を許さず、「この社会を変えるために市東さんとともに立ち上がろう」と呼びかけた。
 連帯のあいさつの最初に動労千葉の関道利委員長が立った。「労働者の誇りを奪う〈統括センター化〉に対し、撤回に向けて闘う」と鮮明な姿勢を表し、三里塚反対同盟と「車の両輪」として市東さんの南台農地を守り抜くことを誓った。
 続けて関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会が連帯発言を行った。
 そして音楽の時間に。
 最初に萩原富夫さんが、エレキベースで自作の「No Farm No Life」「農地は命」を弾き語りし、聴衆を湧かせた。
 ゲストはまず「いなのとひら・のとこば」のトリオ。岸田・自民党政治への痛烈な風刺をたたきつけ、人間愛に満ちたメッセージを巧みな演奏に乗せて聞かせた。続けて、現地に何度も来訪している川口真由美さん。辺野古基地反対闘争の現場でも周囲を圧倒したパワフルなボーカルで闘いの賛歌を歌い上げ、会場の熱気を高めた。
 さらに、ロシアとウクライナにルーツをもつ外国人労働者が飛び入り。闘争歌「憎しみのるつぼ」や平和を願う歌を弾き語りした。
 宮本さんのカンパアピールに続いて、冷えたスイカが配られ参加者ののどを潤した。

弾圧打ち破った

 2・15強制執行との激闘の中で不当逮捕され、完黙非転向を貫いて奪還された仲間8人を太郎良さんが紹介した。反対同盟看板の上に籠城した長江光斗全学連書記長がマイクを握り、獄中闘争への支援・激励に感謝を表しながら、三里塚実力闘争の正義、権力に与えた打撃の大きさ、完黙非転向の意義を強調した。
 続いて、3・11反原発福島行動実行委共同代表の椎名千恵子さんが、「福島も三里塚のように闘う時が来た」と述べ、汚染水海洋放出に対し絶対反対の決意を表し、7・30いわき集会への参加を呼びかけた。そして全学連や若手参加者に集合をかけ、お囃子に乗りながら「かんしょ踊り」を盛大に披露した。
 続いて、リレートークに。最初に、現地で闘う仲間が立ち、成田空港周辺住民が夜間飛行差し止め請求を千葉地裁に提訴したことを報告し、クラウドファンディングによる資金協力、口頭弁論期日への裁判所への結集を呼びかけた。
 婦人民主クラブ全国協議会の川添望さんは「女性が闘えば戦争は止められる。わが婦民新聞の3本柱は女性、反戦、岸田打倒だ」と胸を張った。
 リレートークの最後に全学連の齋藤晴輝君が深紅の中核旗、青い全学連旗とともに登場した。
 全学連が強制執行阻止決戦に全身全霊で突入し、そこで学んだ三里塚闘争の正義性・豊かさ・勝利性を糧として、G7サミット粉砕闘争の爆発が実現したことを述べた。最後の勝利まで闘うとの決意に惜しみない拍手が送られた。
 ここでお楽しみ企画として、じゃが芋の計量ゲーム(一回でピタリ1㌔計れたら持ち帰り)、さらに市東さんが引くくじで「カレーセット」=野菜詰め合わせなどの贈呈が行われ、参加者の笑顔がはじけ歓声が飛び交った。
 大詰めを迎え、市東さんがあいさつに立った「これからもみなさんと共に元気よく軍事空港反対と農地死守の闘いを続けていきたい」。この決意と覚悟に、参加者全員が万雷の拍手で応えた。
 「反対同盟の歌」を全員で斉唱。「誇りも高き農地死守」などの歌詞が参加者の胸に刺さった。
 萩原さんが行動提起として、南台農地をめぐる耕作権裁判を「勝てる闘い」と強調し、千葉地裁への傍聴参加を訴えた。さらにNAAの「新しい成田空港」構想が軍事転用を狙った空港拡張攻撃であることを指摘し、署名運動、空港拡張差し止め裁判への取り組みを要請した。最後に、団結ガンバローを三唱し、農地死守を誓い合った。

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