成田拡張阻止、農地守れ NAAの文書偽造を暴く 市東さん 「この裁判絶対に勝つ」

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週刊『三里塚』02頁(1117号01面01)(2023/08/14)


成田拡張阻止、農地守れ
 NAAの文書偽造を暴く
 市東さん 「この裁判絶対に勝つ」

(写真 反対同盟を先頭に千葉地裁に向けて市街地をデモ行進【7月24日】)

(写真 市東さん耕作位置示す南台土地図)

(写真 斎藤顕裁判長)
(写真 上野至NAA代理人)

 帝国主義各国はクラスター爆弾の供与などウクライナ戦争をますます激化・泥沼化させ、対中国侵略戦争に向けた包囲網形成を進めている。岸田政権は核政策の大転換、殺傷能力のある武器輸出の解禁などを進め、改憲・大軍拡への道をひた走っている。三里塚芝山連合空港反対同盟は、反戦反核の砦として岸田政権打倒の先頭に立つ気概で、10・8全国集会への結集を呼びかけている。成田空港拡張反対署名を集め、全力で駆けつけよう。市東孝雄さんの南台農地をめぐる耕作権裁判が7月24日、千葉地裁民事第2部(斎藤顕裁判長)で開かれた。反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・農民・学生・市民は、市東さんの農地を守り抜く決意で闘い抜いた。
 午前9時、千葉市中央公園で太郎良陽一さんの司会で決起集会が始まった。
 最初に反対同盟を代表して、伊藤信晴さんが発言に立った。「芝山町は今、機能強化で向こう10年間で60億円の税収が見込まれると浮かれている。だが住民は冷めている。3000戸のうち400戸が機能強化によって移転対象にされている。反対同盟の57年の闘いは、芝山廃村化攻撃との闘いだった。農地を実力で守り抜く市東さんの闘いにこそ人民の未来がある」
 続いて動労千葉副委員長の中村仁さんが、「私たちの鉄路、住民の交通手段を奪う廃線化攻撃が激化している」と警鐘を鳴らし、三里塚と共に戦争絶対反対で闘う決意を述べた。
 さらに関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会の連帯発言を受け、太郎良さんが千葉市民に向け「一緒にデモしよう」と訴え、千葉市内デモに出発した。出勤途中の労働者に「農地死守」の訴えを届け、千葉地裁へ迫るデモを貫徹した。

元公団職員出せ

 10時30分開廷。
 弁護団は、「人証の申出1」を提出し、空港公団(成田空港会社=NAAの前身)の用地部に属し用地買収交渉に当たっていた者ら(法理哲二、進藤秀一、浅井昭、浅海輝行、保坂克人、山田正博、鶴岡幸男、白鳥晃、高橋通夫、鈴木勲、糸賀豊、浅子直樹)を証人尋問することを求めた。
 さらに、旧地主・藤﨑政吉からの南台の土地の買収に関連する文書記録(「権利関係の調査」「買収の交渉、その報告」「用地買収の内部検討」)を裁判所に提示するよう求める申立書を提出した。
 これについて意見を求められた原告NAA代理人・上野至(元千葉地裁裁判官)は、臆面もなく「裁判所の計画として、来年の3月までに証拠調べを終えることになっている。訴訟を遅延させ、終結を遅らせることになるので申し立てを認めるわけにはいかない」とうそぶいた。
 裁判所の文書提出命令にも従わず、裁判の進行を遅らせてきたのはNAAではないか! 傍聴席から激しい弾劾の声が飛んだ。
 弁護団は続いて準備書面(48)を陳述し、公団が文書偽造に至った経緯を明らかにした。
 成田空港は1978年のA滑走路のみでの開港の上に、天神峰地区、木の根地区でのB、C滑走路建設を目指して86年に第2期工事に着手した。87年には公団、国交省、千葉県収用委員会の間で強制収用発動に向けた綿密な調整と具体的準備が進められた。(収用委は88年春に人事を一新、成田以外の収用事件を全部処理して秋の成田2期強制収用に備えていた。)
 そうした中で公団は強制収用へのタイムリミットに迫られ、賃借権が付いたままの地主からの土地買収へと踏み出した。公団は市東家の南台の賃借地の位置が当初からAとB(関係土地図)であることを認識し、強制収用手続きを進めてきた。一方、市東東市さん(孝雄さんの父・故人)の認識も戦前から賃借地がA・Bであることは一貫している。
 ところが地主・藤﨑は自らのずさんな手書き図をもとに、市東家の賃借地がE1とBである旨をかたくなに主張し、公団と衝突した。その背景には、藤﨑が以前から用地買収での金銭補償額に不満を抱き、さらに自らのホテル経営不振のあせりから、より多額の補償を公団から得ようとする狙いがあった。
 公団は「A・B」説での説得を諦め、藤﨑にしたがい「E1・Bが市東家賃借地」との立場に変更した。そしてそれに合わせて、東市さんの署名捺印がある「同意書」「境界確認書」の偽造に手を染めた。
 このような経緯を反映する公団と藤﨑との用地交渉記録が存在しないはずがない。
 だがNAAは裁判所の提出命令に従わず、「文書はない」と言い続ける。その見え透いたうそが一層文書偽造を裏付ける状況証拠だ。
 被告側に「訴訟遅延」の責任を転嫁するとは、どこまで恥知らずか。文書隠しで訴訟の進行を妨げているのはNAAであり、言い逃れは許されない。関連するすべての文書を提出し、元公団用地部職員に証言させよ!
 さらに弁護団は証人尋問を申請した公団用地部所属の旧職員について、直ちに安否消息を確認するよう求め、「原告が人証申請をまったく出さないなど許されない!」とNAAに迫った。裁判長に原告の無責任な姿勢を改めて指摘し、来年3月に人証調べ終了などという計画は到底現実的でないことを突きつけ、「人証の申出2」を提出することを予告した。

拙速審理許さず

(写真 報告会で市東さんが決意 【7月24日】)

 次回期日は9月25日、次々回は11月13日で、いずれも人証調べではなく弁論と確認し閉廷した。
 千葉県弁護士会館で報告集会が開かれた。
 最初に市東さんがあいさつに立った。「私の営農の再建もおかげさまで順調に進んでいます。今日の裁判長の姿勢はまだよくつかみきれませんが、この裁判は勝てると弁護団とも確認しています。今後もみなさんの傍聴と有効なヤジの力で、絶対に勝とうと思います」
 続いて弁護団が発言。「同意書」「境界確認書」のみに依拠するNAAの主張のもろさを指摘し、拙速裁判を許さず闘う決意を表した。
 最後に伊藤さんが「市東さんの農地を守りぬくことが、既成の価値観を変え世の中を変える。耕作権裁判への結集と成田空港拡張に反対する新署名への取り組みを」と訴えた。

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