成田軍事空港を廃港へ 南台農地死守を誓う 反戦を訴えニュータウンをデモ 10・8全国集会

週刊『三里塚』02頁(1121号01面01)(2023/10/09)


成田軍事空港を廃港へ
 南台農地死守を誓う
 反戦を訴えニュータウンをデモ
 10・8全国集会

(写真 新調した横断幕を先頭に赤坂公園から成田ニュータウンデモに出発【10月8日】)

(写真 太郎良陽一さんの音頭でガンバロー三唱する参加者)

(写真 反対同盟歌を熱唱)


 アメリカ帝国主義の大没落、戦後世界体制の崩壊による世界戦争の危機と共に革命的情勢が加速している。10月7日、米帝の中東支配の要であるイスラエルの日常的な弾圧・虐殺、侵略への積りに積もったパレスチナ人民の怒りが爆発し、イスラエル領内へのミサイル攻撃が炸裂した。帝国主義各国首脳は一斉に非難しているが、一切の元凶は帝国主義の側にある。革命的闘争に立ち上がるパレスチナ人民と連帯し、全国各地の10・21国際反戦デー闘争の高揚を勝ちとろう。反戦の渦で新宿を占拠しよう。11・19全国労働者総決起集会を国際反戦大集会として日比谷野音を埋める大結集を実現しよう。この激動情勢のもとで10月8日、三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する全国集会が開かれた。

 会場の成田市赤坂公園に全国から520人が結集した。全参加者は、市東孝雄さんの天神峰農地強制執行に対する怒りをあらためて燃え立たせ、岸田政権打倒を誓った。
 本集会を前に、改憲・戦争阻止!大行進が独自集会を開き、闘う労働者、学生の熱烈な発言で会場の熱気を高めた。(2面、現闘日誌に現地からの発言要旨)
 婦人行動隊・宮本麻子さんと太郎良陽一さんの司会で正午に本集会が開会し、最初に伊藤信晴さんが主催者あいさつを行った。(発言要旨別掲)

強制執行を弾劾

 伊藤さんは、2月の強制執行で敵は市東さんの闘志をくじくことを目指したが、その意図を粉砕して農業再建が進んでいることを報告した。耕作権裁判で千葉地裁を包囲する大衆的闘いを作ろうと訴え、第3滑走路建設へ向けた準備工事がこの10月にも着手されることに警鐘を鳴らし、「空港拡張反対署名」を集めきろうと呼びかけた。
 続いて東峰の萩原富夫さんが基調報告に立ち、①戦争に向かう岸田政権を打倒しよう、②国家権力による2月強制執行を弾劾する、③南台農地を守り成田軍事空港を廃港へ! の3点を訴えた。
 連帯のあいさつの最初に動労千葉の関道利委員長がマイクを握った。「車の両輪」として反対同盟とともに空港廃港まで闘う決意を表した上、JR東日本が「鉄道を持つIT企業へ」と称して要員削減、外注化、出向などの攻撃をかけ、現に重大事故が多発する実態を明らかにした。そして戦争の危機の中で日比谷野音で開かれる11・19全国労働者総決起集会への大結集を呼びかけた。
 関西実行委の連帯発言に続き、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の連帯メッセージが紹介された。
 全参加者とマスコミの注目の中、市東孝雄さんが発言に立った。
 「モノと土地は取られましたが、みなさんもいる、私ひとりじゃない。動労千葉をはじめとする闘う労働組合と連帯し、市民、学生と団結し、福島・沖縄・三里塚を一つの闘いとして、これからも『闘魂ますます盛んなり』で闘います」
 この市東さんの簡潔明瞭な不屈の決意に惜しみない拍手が続いた。
 続いて反対同盟顧問弁護団3人が登壇し発言した。山場を迎えた耕作権裁判で、成田空港会社(NAA)側の「同意書」「境界確認書」に証拠価値なしと裁判所が判断したことを勝利的に確認しつつ、油断することなく実力闘争と一体で裁判闘争を闘い、不当判決を絶対に出させない決意を述べ、毎回の傍聴への参加を要請した。
 市東さんの農地取り上げに反対する会、群馬・市東さんの農地を守る会が発言した。群馬の会の労働者は、9・24高崎集会の成功を報告し、困難な中でも自らの職場闘争の勝利を三里塚と結び付けて奮闘することを誓った。
 全国農民会議共同代表の小川浩さんは、福島の鈴木光一郎さん(同共同代表)のメッセージを読み上げた上、酪農、米作を例に挙げて現在農民が置かれている苦境を訴えた。そして岸田政権が「食料安保」を掲げて有事に主要穀物の栽培を農家に強制する法改悪へと進んでいることを暴き、農業つぶしと戦争の攻撃に対し、三里塚のように闘うことを訴えた。
 宮本麻子さんがカンパアピールを行った。
 ここで音楽の時間を迎え、参加者が心を一つにしてギター伴奏で「誇りも高き農地死守」と反対同盟歌を熱唱した。
 後半の司会を太郎良陽一さんに交代し、福島の椎名千恵子さんが発言した。椎名さんは岸田政権による福島第一原発の汚染水海洋放出への怒りをたたきつけ、「絶対反対」で地元の農民・漁民と手を組み闘う体制づくりを全力で追求していることを報告した。
 市東さんの農地を守る沖縄の会は、岸田政府が辺野古新基地建設の工法変更について「代執行」を行う訴訟を福岡高裁那覇支部に起こした暴挙を弾劾し、三里塚と連帯して軍拡・戦争阻止へ全力で闘うことを誓った。
 続いて、激化する成田の騒音に対し「眠れる夜と静かな朝」を求めて訴訟に立ち上がった138人の地元住民のうち2人が発言に立ち、クラウドファンディング(資金カンパ)への協力と、11月28日に千葉地裁で開かれる行政訴訟第1回への傍聴を訴えた。
 さらに婦人民主クラブ全国協、星野全国再審連絡会議、全国水平同盟などが、ともに南台農地を守り抜く決意を表した。

裁判毎月傍聴を

 ひときわ大きな拍手に迎えられ、赤嶺知晃全学連委員長が発言に立った。「市東さんの農地取り上げを阻止する闘いは反戦闘争の最前線」と位置づけ、危機に追い詰められ軍事空港建設、改憲・戦争へと突き進む岸田政権を内乱的な闘いで打倒する決意を述べた。
 最後に太郎良さんが、あらためて2月強制執行への激しい怒りを湛えながら闘いの前進を確認し、「話し合い」ではなく、国・NAA、機動隊と徹底非妥協を貫く陣形を拡大強化して2・15を倍する闘いで南台農地を守り抜くことを訴えた。さらに今後耕作権裁判での人証調べが毎月行われることを告げ、毎回のデモと傍聴への結集を強力に訴えた。
 団結ガンバローを三唱し、反対同盟を先頭に公園から出発し、成田ニュータウンを東西に貫く大通りデモに繰り出した。
 デモ隊が真っ向から「空港反対」「機能強化やめろ」のコールを響かせ大通りを堂々と行進すると、沿道の住宅や建物から手を振って激励する人、携帯カメラで歩道上で写真を撮る人など、住民・労働者は思い思いにデモへの関心を寄せ、「成田空港拡張反対署名」への協力もあった。
 警視庁公安部と千葉県警は終始、デモ行進への挑発と強圧的規制を行いながら弾圧の機を窺ってきたが、全員が毅然としてこれを跳ね返した。反対同盟の宣伝カーには宮本さんが乗り込み、一帯に戦争反対と農地死守の訴えをとどろかせた。
 ところがすぐその前で機動隊の指揮官車が切れ目なく「デモが行われている」「デモが通過している」「デモ隊は警察官の指示に従え」などとまったく不必要な告知を大音量でまき散らしている。明らかに同盟宣伝カーに対する妨害行為だ。萩原さんが、強い怒りをあらわにして指揮官車と機動隊に詰め寄り抗議して、これをやめさせた。
 JR成田駅にほど近い公園までのデモを貫徹し、全参加者は戦争と農地強奪に対する怒りをますますかき立てて立ち上がることを決意した。

このエントリーをはてなブックマークに追加